• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ソーシャル・キャピタルと高齢者の健康寿命:ネットワーク分析を応用した縦断調査

研究課題

研究課題/領域番号 22590581
研究機関山梨大学

研究代表者

近藤 尚己  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (20345705)

研究分担者 大西 康雄  山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (40223896)
山縣 然太朗  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
キーワード高齢者 / 健康寿命 / ネットワーク分析 / ソーシャル・キャピタル / 心理社会的要因
研究概要

地域のソーシャル・キャピタル(SC)、即ち人々の結束や信頼を高めるような社会的ネットワーク資源を醸成することにより、高齢者の健康維持に必要な、多様な社会サボートの授受が円滑に行われることが期待される。しかし健康資源が、人的ネットワークを介してどのように伝達し、個人の健康へと影響していくかについては明らかになっていない。本研究は,数理社会学の「ネットワーク分析」手法を用いて、高齢者の社会的ネットワークのダイナミズムと健康との関連を理解すること,およびネットワーク分析手法の公衆衛生領域への応用のための課題整理を行うことを目的としている。初年度には山梨県早川町の全高齢者を対象に健康状態、社会経済状況、心理社会状況、生活習慣、および社会的ネットワーク等に関する郵送質問紙調査を行った。2年目は調査において,山梨県内で歴史的に継続実施されてきている無尽講(回転型貯蓄金融講)へ参加している人を対象に訪問調査を実施し,各無尽講のグループ内,およびグループ間の関係性データ構築した。また,無尽講の活動実態やほかの同地域内における社会活動の特性(特に人間関係の広がりと深さ)についての質的な聞き取りによる情報収集を行った。現在,収集されたデータを用いたネットワーク分析を実施中である。初年度に収集した横断データを,日本福祉大学がセンターとなって実施している日本老年学的評価研究における疫学研究データと合わせて分析し,地域のソーシャル・キャピタルが,個人の地域への信頼感評価等と独立して,個人のメンタルヘルス(抑うつ傾向)に対して抑制的に関与していること等を明らかにし,学会発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書の計画通りのデータ収集と分析,成果報告が進んでいる。

今後の研究の推進方策

残る1年の助成機関中に,数回早川町での訪問調査を実施し,ネットワーク分析用の個人間の関係性データの精度向上を行う。またネットワーク分析を実施し,ネットワークのダイナミズムを空間的・時間的に明らかにする。さらにネットワーク分析の結果を初年度疫学調査データと再突合し,ネットワーク特性と健康事象との関係性についての分析を実施する。分析結果は原著論文にまとめる。また学会発表を予定している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 格差社会をどう"診る"か2011

    • 著者名/発表者名
      近藤尚己
    • 雑誌名

      MEDICAL ASAHI

      巻: 40 ページ: 40-41

  • [学会発表] 人々の「つながり」と健康-山梨の健康長寿の秘密2012

    • 著者名/発表者名
      近藤尚己
    • 学会等名
      第27回山梨県医学検査学会
    • 発表場所
      山梨県JA会館(山梨)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-18
  • [学会発表] 高齢者の抑うつに関連する地域環境要因に関するマルチレベル分析:J-AGESプロジェクト2012

    • 著者名/発表者名
      近藤尚己, 斉藤雅茂, ほか
    • 学会等名
      第22回日本疫学会学術総会
    • 発表場所
      一橋記念講堂(東京)
    • 年月日
      2012-01-27
  • [学会発表] 社会格差と健康に関する介入研究の現状と課題2011

    • 著者名/発表者名
      近藤尚己
    • 学会等名
      第27回ストレス学会
    • 発表場所
      東京国際交流会館プラザ平成(東京)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-19
  • [備考]

    • URL

      http://square.umin.ac.jp/ages/jages_top.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi