研究課題
目的:学童期アレルギー疾患と食習慣、生活習慣の関連に注目し、アレルギー疾患の発症や経過に及ぼす影響につき前向きに調査する。方法:滋賀県近江八幡市の全公立小学校12校に2010年度入学した全小学生の保護者を対象に、小2から小5までの4年間に渡って、毎年9月にInternational Study of Asthma and Allergies in Childhood (ISAAC)調査票、及び様々な生活習慣についての調査票を配布し、回答を依頼した。小5時には、すべての参加者に対して、ダニ、スギ、カモガヤ、ブタクサの特異IgE値を測定した。毎年回答の得られた557名(対象学童の73.4%に相当)のデータを解析対象とした。結果:現在までの解析結果は以下の通り。(1)症状有症率の経年変化;4年の調査期間に、喘息症状は低下、湿疹症状は横ばい、鼻炎症状、鼻結膜炎症状は上昇した。各疾患有症者の重症度分布には大きな変化はなかった。(2)症状継続のリスク要因;小2時点で喘息症状有症者のうち、重症度の高いもの、及び男子は、そうでない者に比べて有意に症状が継続した。(3)新規発症のリスク要因;小2で鼻炎症状がなかった者のうち、スポーツ活動を継続した者は、そうでない者に比べて小5までに鼻炎を新規発症する頻度が高かった。(4)スポーツ活動とアレルギー症状;スポーツ活動の持続は小5における鼻炎症状発現の有意なリスク要因となった。スポーツ活動は、小5時点の吸入性アレルゲン感作との関連はなかった。まとめ:現時点までの解析で、同一集団の学童期におけるアレルギー症状の変遷、その症状持続や新規発症に関連する要因の一端が明らかになった。さらにスポーツ活動のアレルギー症状発現に与える影響が明らかになった。今後さらに食習慣や食事内容、体格(特に肥満)の変化とアレルギー症状の関連性について検討し、学童期アレルギー疾患の有効な治療管理法、予防法の開発につなげる予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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