研究課題/領域番号 |
22590592
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 重幸 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60253994)
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研究分担者 |
島本 和明 札幌医科大学, 学長 (40136940)
大西 浩文 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20359996)
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キーワード | 疫学 / 悪性新生物 / 生活習慣病 / 耐糖能異常 / 動脈硬化 / 危険因子 |
研究概要 |
平成22年度は北海道S町における健診成績を実施し、988名の検査成績を既存のデータベースに加えこれを整備した。また過去の20年間の健診成績より個々の対象のBMI、血圧値、血糖値、中性脂肪値、HDLコレステロール値、白血球数など基本測定項目の経過の変化を評価し、加齢と共にBMI、血糖値、白血球数などの平均値は有意に増加することが示された。この間180名ほどの心血管疾患発症者が登録されているが、発症者では非発症者に比してBMI、血糖値、白血球の平均値の増加の程度は大きく、これらの変化が心血管疾患発症の関連因子となることが確認された。更に1994年度(初年度)健診受診者、1908名の追跡から、耐糖能異常と喫煙の合併の心血管疾患と悪性新生物発症に与える影響を解析した。対象は初年度健診データより、空腹時血糖により耐糖能異常を判定し、喫煙状況により、それぞれの「有・無」により4群に分類して、最大14年間の生命予後を追跡した。この間の総死亡者数は285名であり、この内、悪性新生物死亡者は101名、心血管疾患死亡者は82名である。Cox比例ハザードモデルの解析で耐糖能異常無し・喫煙無しの正常群を対象とすると、喫煙単独群で総死亡は1.78(95%CI:1.28-2.48)、耐糖能異常単独群で1.52(0.87-2.67)、耐糖能異常かつ喫煙群で3.11(1.85-5.23)と総死亡での相対危険は上昇し、喫煙群、耐糖能異常かつ喫煙群で有意であった。この傾向は、心血管疾患死亡と悪性新生物死について別々に行っても同様であった。心血管イベントと悪性新生物の共通するリスクとして耐糖能異常と喫煙は相乗効果を示すものと考えられた。
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