研究課題/領域番号 |
22590592
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 重幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (60253994)
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研究分担者 |
大西 浩文 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20359996)
島本 和明 札幌医科大学, 学長, 学長 (40136940)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 心血管疾患 / 悪性新生物 / 耐糖能異常 / 疫学 |
研究概要 |
平成24年度は前2年間と同様に、北海道S町における健康診査を実施し、862名の健診成績を既存データベースに追加しこれを整備した。同時に予後調査を実施し、脳血管疾患、心疾患(心血管疾患)発症者、死亡者および悪性新生物発症者・死亡者の追跡確認を行うため、各医療機関へのアンケート調査実施、疾患り患数、死亡数を確定した。1994年から2011年末までの1908名(平均年齢63歳)のうち、心血管疾患死亡者は136名、悪性新生物による死亡者は185名であった。基本調査項目には性、年齢、飲酒習慣、喫煙習慣、BMIおよび腹囲などの体格、血圧、脂質、75gブドウ糖の血糖値、インスリン値、酸化ストレスマーカー、γGT等の肝機能、Crを基にした推定糸球体濾過量などを含み、全員に心電図、眼底検査を実施している。 すべての心血管疾患発症者では男性、血圧値、耐糖能異常以上の高血糖、高インスリン血症、メタボリックシンドロームが発症リスクと抽出された。悪性新生物死亡では男性では肺癌、胃癌、結腸癌の順、女性では胃癌、肺癌、乳癌、膵癌の順で死亡者が多かった。癌死亡リスクとしては喫煙習慣、飲酒習慣が有意となり、75gブドウ糖負荷試験における糖尿病型が全癌死亡に関連因子として抽出された。特に結腸癌、前立腺癌、乳癌、肝がん、膵癌での関連が示された。癌死亡なか心血管疾患発症者(心血管既往のあるもの)は67名37%であり、これらの対象では男性の比率が高く、高血圧、糖尿病、飲酒習慣の集積が高かった。また、これらの対象では肥満はないものの、酸化ストレスマーカーレベルが高いことが示された。従来より、耐糖能異常、喫煙が心血管疾患、悪性新生物のリスクとなることが知られているが、本検討から悪性新生物と心血管疾患集積の要因に糖代謝異常、酸化ストレスの関与が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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