ノロウイルスの流行像を明らかにするために、ウイルス様中空粒子を用いて抗原変異について解析した。ノロウイルス粒子には各遺伝子型特異的抗原と共通抗原が存在することが示唆された。周期的に流行するノロウイルス GII.2 の各変異株は、組織血液型抗原結合能は変わらなかったが、抗原性が変化していることから、中和抗体逃避変異体であることが示唆された。ノロウイルス GII.6 型は3つの遺伝的クラスターに分類され、それぞれ HBGA 結合能および抗原性が異なっていた。周期的流行を起こすノロウイルスは、変異を蓄積した中和抗体逃避変異体あるいは異なる組織血液型抗原結合能を示す遺伝的に異なる亜種によって引き起こされると考えられた。
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