研究課題
研究の目的は、川崎病罹患が将来の心血管イベントや死亡のリスクとなるか、罹患者で若年からの動脈硬化の促進がみられるか、罹患者を長期間追跡観察して疫学的に解明することである。本研究期間中には、二方向から研究を行った。症例情報のデータベースを用いて記述および分析疫学研究を行った。悉皆性のある既存の調査データから、1999年10月から2012年9月の13年間に和歌山県下全域で発生した川崎病1415症例のデータベースを作成した。この期間の県下における川崎病の罹患率を算出して、全国疫学調査における県データとの検討を行った。1415例について冠動脈障害のリスク要因の解析を行った結果、免疫グロブリン超大量療法の普及後も川崎病発症時の年齢が重要な要因であり、好発年齢を挟んで低年齢層と高年齢層で冠動脈障害のリスクが高かった。パイロット研究参加者の協力を得て、3テスラMRI装置を用いて冠動脈撮影を行った。川崎病罹患後15年以上を経過し、急性期に明らかな冠動脈拡大・瘤形成を認めなかった症例では、壁肥厚は明らかでなかった。急性期に瘤形成しその後の冠動脈造影検査で退縮が確認されている症例で壁肥厚が疑われた。MRI撮影は放射線被曝がないため無症状の若年者の冠動脈の評価に適しているが、呼吸等の影響で撮像時間が長く、至適な検査プロトコルを検討している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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