研究課題/領域番号 |
22590600
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研究機関 | 日本赤十字北海道看護大学 |
研究代表者 |
HANLEY Sharon 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 准教授 (80529412)
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研究分担者 |
櫻木 範明 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70153963)
伊藤 善也 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70241437)
林 由梨 自治医科大学, 医学部, 助教 (30626809)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | HPV ワクチン / 子宮頸がん予防 / 無作為割り付け介入研究 / 思春期女子 / 子宮頸がん検診 |
研究概要 |
HPVワクチン接種は子宮頸がん予防の観点から定期的に子宮頸がん検診を受けていない女性では大きな役割を果たすことが出来る。本研究はHPVワクチン接種率向上の方策を検討することを目的として、思春期の女子を持つ母を対象とした子宮頸がん及びHPVワクチン接種に対する2つの調査を実施した。平成24年度では調査2をさらに解析し、結果を発表した。 調査2は横断的研究と無作為割付介入研究を同時に実施した研究である。対象地のS市とK市は、両方とも人口が10万人 前後で、かつ子宮頸がん検診対象者数はほぼ同程度である。しかし検診受診率には差があって、K市の7%に対してS市は55%である。調査1と同様に質問紙調査を行ったが調査の中で対象者を無作為割付により2群に分けて、一方にはHPVや子宮頸がんについて情報を提供した。 ワクチン接種の受容と関連する変数:仮定したように検診受診率が低いK市では、母親の検診歴が娘へのHPVワクチン接種の最大の障壁だった一方、検診受診率が高いS市では最大の障壁はワクワクチンの安全性に対する不安だった。両市では、医師の推奨や同級生の接種状況は、HPVワクチン接種の意思決定に前向きな影響を与えた。介入の結果:K市と比べてS市ではHPVワクチンの受容が有意に高かった(91%V83%)が、K市での介入はS市と同程度に受容を有意に高めていった(90%V91%)。つまり、検診受診率が低いところで、HPVや子宮頸がんに関する情報提供を行えば、ワクチンの受容が上がる可能性がある. 結果を纏めると、公費負担制度が導入され、医師がワクチン接種を勧め、保護者の安全性への懸念を取り除けばワクチンの接種率が高くなることを示している。しかし、検診の受診率が低い地域でワクチンの接種率が同様に低ければ、子宮頸がんに関する格差が持続してしまうばかりか、むしろ悪化することにもなるということも示している。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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