研究課題/領域番号 |
22590601
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
坂田 清美 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50225794)
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研究分担者 |
人見 次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00218728)
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キーワード | 動脈硬化 / バイオマーカー / アテローム血栓症 / 診断薬 / コホート研究 / 脳卒中 / 心筋梗塞 / 危険因子 |
研究概要 |
本研究では、アテローム性動脈硬化症の有力なバイオマーカー候補であるS100A12蛋白、フィブリノーゲンα断片、補体成分3断片について、追跡開始後7年以上経過したコホート研究の保存血清を用いて測定し、脳卒中、心筋梗塞の発症例、危険因子との関連を明らかにする。 23年度は、S100A12蛋白との相関が高く、同時測定することにより、患者群の抽出と、頸動脈プラークの危険度をより精度高く評価できる可能性がある'補体成分3断片'について、測定系を確立した。市販のポリクローナル抗体Goat anti-C3a(GeneTel#OA0016)とAnti-C3a Mab(BioPorto #GAU013-16)とを用いて、サンドイッチの系を作り、血清中の補体成分3を測定した。正常人の平均値は8.7μg/ml、頚動脈硬化症の患者33名の平均値は9.2μg/mlであった。C3aは血中で断片に分解されるが、本測定系はC3aと断片いずれにも反応することから、両者を測定していると思われる。このことから、C3a断片の特異的な測定系の構築には、ポリクローナル抗体でも十分に可能であると予想され、補体断片のペプチドをウサギに免疫し、抗体価が上がったウサギのIgG分画を、C3aペプチドカラムで抗C3a抗体を吸収させることで、抗C3a断片特異的なポリクロ抗体を精製し、特異的な系を構築した。 24年度は、岩手医大に凍結保存している約1095検体について測定の上縦断的な解析を実施し、代表的な動脈硬化性疾患である脳血管疾患、心疾患の発症等との関連について明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
'補体成分3断片'について、測定系を確立するのに時間が当初の見込み以上に要したことが、主な理由である。しかしながら、平成24年度中に、当初の目的を達成することは充分可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
コホートの追跡は順調に推移していることから、S100A12蛋白、フィブリノーゲンα断片、補体成分3断片の検査成績と縦断的な研究成績との解析は、当初の計画通り実施する予定である。
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