研究課題/領域番号 |
22590605
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
原 由紀 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50276185)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 発達性吃音 / 早期介入 / 地域連携 / Lidcombe プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は、発達性吃音児に対して、発吃後早期に介入を開始することにより、その治癒率を上げ進展した吃音になることを予防することにある。短期間で効率的に、どの地域でも実施可能な早期介入システムの構築を目指している。 当該年度は、早期介入プログラムの構築を目指し、少数例に対して、初期評価から介入プログラムの実行を、継続的に行った。その結果生じた問題点を検討し、改善方法を検討している。 さらに、フランスで行われた7th World Congress on Fluency Disorders に参加し、幼児期の吃音治療プログラムについてのワークショップを受講するなど、吃音児に対する早期介入プログラムに関する情報収集を行った。また、本研究で参考にしているLidcombe プログラムを開発したオーストラリアの研究者や臨床家との情報交換も行った。研究代表者は、幼児に対する治療の長期経過について発表し、幼児期の吃音治療に関する多くの意見交換を行うことができた。研究協力者の大沼幸恵は、本プログラムの初期評価の一として用いている気質面のスクリーニング質問紙 Strengths Difficulties Questionnaire(SDQ)について、北里大学病院で実施した結果を分析し報告した。気質面の評価を、早期介入プログラムの初期評価として実施しておくことの意義は大きく、同様の研究に携わっている海外の研究者との意見交換を行い、有意義な示唆をえることができた。 地域連携を目指し、相模原市の療育を担当している言語聴覚士に対して研修を行い、発達性吃音児の早期介入プログラムの必要性を啓蒙しつつ、研究協力を呼びかけ、賛同をえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
少数例に対して、早期介入プログラムを実施した結果、改善を必要とする事象が生じ、修正が必要であった。このため、進行がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、介入方法の修正をした後に、本格的な対象児への呼びかけを開始し、介入の縦断的評価を実施していく予定である。 また、本年度は、Lidcombeプログラムのワークショップが開催される予定であり、本邦に適したかつ、より詳細なプログラムの構築について打ち合わせを行っていく。
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