研究課題/領域番号 |
22590606
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
苅田 香苗 杏林大学, 医学部, 准教授 (40224711)
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研究分担者 |
吉田 正雄 杏林大学, 医学部, 講師 (10296543)
原田 まつ子 帝京短期大学, その他部局等, 教授 (60413077)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 味覚 / 食生活習慣 / ストレス / 気分・感情状態 / 生活環境 |
研究概要 |
本年度は若年女性における味覚感度への影響因子の1つと考えられる月経周期について検討を加えるため、追加の調査を行った。またこれまで実施した調査について詳細な分析を行い、成果を学会発表するとともに学術誌に報告した。本年度の調査研究成果の概要を以下に示す。 (1)女子短大生37名を対象に、月に2~4回繰り返し味覚閾値の判定を行った上、味覚検査日の月経周期を起床時基礎体温および月経記録表に従って区分し群別比較したところ、甘味と酸味閾値は黄体期に比べ月経期で下がる傾向が認められたが、塩味と苦味には対象者間で共通する月経周期上の変動はみられなかった。 (2)実施した全調査のSTAI質問票(若年女性175名,平均年齢19.5±1.9歳)より得られた状態及び特性不安値は、平均して一般成人女性の基準値よりも高く、食行動との関連をみると、外食が週1回未満の学生では週2回以上外食する者に比べ状態不安値が有意に低く、また夜食習慣のある者では特性不安値が有意に高かった。28名の唾液中ストレス指標値はコルチゾール濃度が状態不安値と関連する傾向がみられたが、POMS、STAIの各項目得点および各味覚感度との間に相関関係は認められなかった。 (3)横断調査の結果による女子短大生127名の塩味と苦味に対する識別閾値は、飲酒習慣のある者で高かった。正準相関分析の結果、POMSの5つの気分尺度のうち、疲労正準得点が四味覚閾値の総合特性値との相関性が強かった。各味質識別閾値の最頻値よりも平均閾値が高かった者を味覚低下群とし、多重ロジスティック回帰分析を行ったところ、酸味低下群に寄与する因子として鉄と亜鉛摂取量、POMSの疲労及び敵意得点が採択された。多変量解析により特定の食生活因子と関連する可能性が酸味と苦味感度において示され、また味覚低下傾向はPOMS疲労得点が高く敵意得点が低い場合に見られることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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