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2011 年度 実績報告書

新たな危険因子を組み合わせた、動脈硬化予測の新指標の作出

研究課題

研究課題/領域番号 22590609
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

加藤 秀一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00333071)

キーワード脂肪肝 / HbA1c
研究概要

当大学の人間ドック受診者の膨大なデータベースを活用して、糖尿病の発症を少しでも早く予測できる指標を創出し検証している。既に健診受診者の約2300名で尿中微量アルブミン、空腹時インスリンを測定し、約600名で高感度CRP、シスタチンCを測定し、データの蓄積を完了した。
フィンランド国立公衆衛生研究所のMarkku Peltonen博士、Jaakko Tuomilehto博士を監修・研究協力者として、我々の成果をフィンランド人データベースでも検証し、矛盾しないことを確認しつつある。
これまでの我々の研究で脂肪肝が糖代謝異常に極初期から独立して関与しており、極初期の糖代謝異常に関わる脂肪肝指標としてはコリンエステラーゼとその漸増が有用であることが明らかとなった(Jof Gastroenterologyに投稿済み)。また尿中微量アルブミンは10mg/gCr以上の僅かな上昇から正常ではなく病的な意義があり、ARBを主体とした降圧療法で降圧非依存性に改善することも判明した(平成24年日本糖尿病学会関東甲信越地方会で発表、Therapeutic Research誌5月号に掲載予定)。本年度は、これらの成果を拡大してゆきたい.
フィンランドで開発され、世界中で広く認められて使用されているFinnish Diabetes Risk Score(FINDRISC)を日本人向けに改良し、Japanese Diabetes Risk Score(JPDRISC)のプロトタイプを作出した。これを日本人に当てはめて上述の指標との関連性を検証した。その4000~7000例規模の解析結果を7th World Congress on Prevention of Diabetes and its Complicationsにて発表するようにと学会副会長のJaakko Tuomilehto博士より指示があった。日本国内においては今年度の日本人間ドック学会にて発表するようにと大会会長の和田高士博士より指示があった。当該JPDRISCを基本として脂肪肝の指標を補助的に組み合わせるのが最良の指標と考えられる。今後引き続き検証を進めて行く計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

論文の刊行のみが少し遅れている。しかしその他はおおむね順調に進展している。研究成果の論文第一報は平成24年5月のTherapeutic Research誌へ刊行が決定した。第二報もJournal of Gastroen terology誌に投稿済みで現在、審査を受けている。第三報論文原稿は現在、宇都宮一典主任教授の校閲を受けている。第四報にあたる研究成果は平成24年9月の日本人間ドック学会で発表するようにと同学会大会長より指示を受けた。国際的には平成24年11月の7th World Congress on Prevention of Diabetes and its Complicationsで発表するようにと同学会副会長より指示を受けた。

今後の研究の推進方策

一方で、これまでの解析とフィンランド側との国際共同研究打ち合わせを通じて、longitudinal解析には2万人・年ものデータベースが必要であることが明らかになった。その2万人・年分の糖尿病リスクスコア(一部の症例での尿中微量アルブミン、空腹時インスリン、高感度CRP、シスタチンCの測定データを含む)と健診結果のデータベースの構築完成を急ぎたい。最終的には凡そ3~6年間の観察期間における糖尿病発症率への上記指標の関与の有無とその程度(強さ)を検証する計画である。
一方で、最新の他の研究から食後の高血糖にインクレチンとグルカゴンの調節異常が関わっていることが強く疑われる。我々の研究論文第三報にあたる研究成果もそれに合致する。本研究の成果が直ちに陳腐化しないためにも、インクレチンと高血糖の関連を調査するとともに、一部の症例では予備的調査として直接グルカゴンを測定したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] VildagliptinとSitagliptinの食後血糖改善作用に関するクロスオーバー比較試験2012

    • 著者名/発表者名
      加藤秀一、阪本要一、宇都宮一典
    • 学会等名
      第49回日本糖尿病学会関東甲信越地方会
    • 発表場所
      JA共済ビルカンファレンスホール(東京)
    • 年月日
      2012-01-21
  • [学会発表] オルメサルタンとアゼルニジヒンの併用療法における降圧非依存性尿中アルブミン減少とその予測・背景因子CHUO-Studyより2011

    • 著者名/発表者名
      加藤秀一、阪本要一、宇都宮一典、CHUO-Studyメンバー
    • 学会等名
      第54回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      札幌フリンスホテル国際館バミール(札幌)
    • 年月日
      2011-05-20

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公開日: 2013-06-26  

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