社会福祉士・精神保健福祉士を目指す社会福祉学生は、対人援助職としての適切なストレスコーピングの必要性が課題としてあげられる。そのために、①「メンタルヘルス」に関連する「生活習慣」の探索、②心身のストレスの程度と生活習慣や業務内容との関連を明確化することを目標とした。 本研究は、研究①アンケート調査によるメンタルヘルスに関わる生活習慣の探索、研究②学外実習におけるストレス暴露とその要因の検討、の二つの研究から成る。 平成24年度は、研究①において、平成22年度のアンケートに回答した社会福祉学生3年次生(平成22年度1年次生)を対象に、メンタルヘルス項目と生活習慣項目を内容とするアンケート調査の追跡調査を実施し、平成22年度と24年度との変化を把握し、メンタルヘルスの変化とベースライン時の生活習慣並びに2年間の生活習慣の変化との関連について縦断的に分析した。平成22年度のアンケートに回答し、23年度、24年度においても回答した学生数61(女35・男26)(3年間総和183)に対して、SOC(ストレス対処力)の3年間の変化を比較し、平成22年の生活習慣が3年間のSOCの変化にどう関係しているかを見た。解析方法は、二元配置分散分析である。性別を調整したSOCの平均値を求め、SOCを従属変数として、1.性別による違い2.主観的健康観による違い3.朝食摂取、睡眠による違い4.誰と食べるか(共食か一人で食べることの頻度)や食事場所(外食・弁当の頻度)による違い5.家族との同居かそれ以外かによる違い、について解析を行った。際立った結果は見られなかったが、睡眠(時間)生活習慣の影響による3年間のSOCの変化があることが示唆された。
|