研究課題/領域番号 |
22590621
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研究機関 | 中村学園大学短期大学部 |
研究代表者 |
内田 和宏 中村学園大学短期大学部, 食物栄養学科, 講師 (70301679)
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研究分担者 |
城田 知子 中村学園大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (80069781)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メタボリックシンドローム / 食物消費構造 / 栄養疫学 / 生活習慣病 |
研究概要 |
1.本年度の住民健診について 住民健診は、6月25日から8月7日までの25日間であった。住民健診受診者のうち、栄養調査(簡易版)受診者は男性938名、女性1,233名の計2,171名であった。入力作業が終了しデータセット作成の最終確認作業中である。また、昨年度実施した栄養調査については最終確認が終了し、平成26年度中にデータセット化を行う予定である。 2.研究成果について 本年度の成果の一部として、メタボリックシンドローム(MetS)と食物消費構造との関連について1988年と1998年のデータを用いた追跡研究を行ったので報告する。 久山町における1988年度および1998年度の成人健診を受診した40歳以上の者で、1988年時にMetSの者を除いた1,018名を対象とした。食物消費構造の検討は、19食品群を変量とした因子分析の主因子法を用い、因子負荷量および因子得点を算出した。因子分析により得られた個人の因子得点を四分位(Q1-Q4)に分け、ロジスティック回帰分析により性、年齢、喫煙習慣、飲酒習慣および運動習慣を調整したときのMetSおよびその構成因子のリスクを検討した。因子分析の結果、固有値1以上の因子は8因子抽出され、第一因子は正方向に米、負方向にパンの主食因子が抽出された。第二因子の正方向には副菜因子が、負方向にはアルコール因子が抽出された。第三因子の正方向に間食(果物)因子が、負方向にはアルコール因子が抽出された。因子得点の最も低い群(Q1群)を基準とした時のリスクは、第一因子、第二因子ではMetS発症リスクに関連しなかったが、第三因子で間食(果物)因子の者(Q4群)でオッズ比0.55(0.34-0.90)とMetS発症のリスクが低下した。これらの結果から、間食(果物)型の食事パタンはMetS発症のリスクを低下させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一斉健診や食事調査の準備状況、既存データの解析の進行度等を勘案し、当初の計画に対しおおむね順調に進展していると考えている。 ただし、2002年を基準年とした追跡コホートのデータセット化については、やや予定よりも遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
久山町における食事調査の妥当性が1985年に一度検討されたのみであり、その後の食品成分表の改訂が行われていることなどから、再度妥当性を検討することが必要であると考えている。最終年度に、住民の中から対象者を一部抽出して食物摂取頻度調査法についての妥当性の評価を実施したいと考えている。
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