研究課題/領域番号 |
22590628
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研究機関 | 防衛医科大学校 |
研究代表者 |
原田 一樹 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (00253146)
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研究分担者 |
吉田 謙一 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40166947)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 神経細胞死 / 皮質層状壊死 / ヘミチャンネル / アストログリア / カルパイン / コネクシン43 |
研究概要 |
急性脳外傷においては、connexin (Cx)により構成されるgap junctions (GJs) やhemichannels (HCs)を通じてアストログリア反応と神経細胞死が伝播されると考えられているが、分子機構には未解明の部分が多い。そこで私達はラット皮質表層にメスで挫傷を作成し、経時的に採取した脳組織の生化学的分析及び病理学的検索を行った。 Propidium Iodide (PI)陽性細胞は、皮質V・VI層の神経細胞特異的マーカーNSE陽性細胞及び少数の大型parvalbumin陽性細胞に水平方向に伝播したことから、皮質深層の神経細胞が特異的に細胞死に陥ることが分かった。一方、GJ・HCの伝導を示すEthidium Bromide (EtBR)は、皮質全般により早く拡大し、活性化アストログリア細胞に特異的なマーカーGFAP陽性細胞に伝播したことから、活性化アストログリア間のGJ・HCの伝導が促進されていることが分かった。神経細胞死において重要な役割を果たす活性化mu-calpainはPI陽性神経細胞に共発現し、時間と共に伝播した。Cx43により構成されるHCの阻害剤Gap26と一般的なHC阻害剤La3+は、PI・EtBrの伝播、western blot分析によるGFAPと活性型mu-calpainの増加、mu-calpainの基質alpha-fodrinの分解を抑制した。 以上より、急性脳外傷において活性化されたアストログリア間のGJ伝導促進を介してCa2+シグナルが伝播する結果、皮質深層の神経細胞、parvalbumin陽性GABA作動性抑制神経細胞内でCa2+依存性蛋白質分解酵素mu-calpainが活性化され、神経細胞死が惹起されることが証明された。脳虚血に見られる層状壊死と類似した皮質細胞死伝播現象の分子機構を外傷モデルで解明した点が有意義である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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