研究課題
NorthernあるいはReal Time-PCR法で標的遺伝子mRNA発現を確認することが、分子・細胞生物学研究で広くなされている。しかしながら、これらの方法では、mRNA産生が組織のどの細胞で行われているのかを厳密に同定することはできない。mRNA産生細胞の局在を同定するために、in situ Hybridization(ISH)法が行われているが、この方法では感度が低いために、発現量が少ないmRNAの検出はできないのが実情である。本研究は、組織切片上の微量mRNA検出を可能にする新規なin situ RT-PCR法の樹立を目的とした。当初、組織切片上で標的遺伝子mRNAに逆転写PCRを行いcDNAを作成し、次にPCRで増幅した遺伝子をラベルして、mRNAレベルでの標的遺伝子発現の局在を確認することを試みたが、組織切片上でのRT-PCRは温度管理が難しく、遺伝子増幅確認ができなかった。そこで、組織切片上でのRT-PCR手技実験を中止し申請当初から副案として考えていた凍結切片での手技検討を行った。検体採取後短時間で凍結切片を作成し、mRNAをできるだけ残した状態でISHの行程に進むことが可能と予想し、粘着フィルムを使用した川本法を使うことを試みた。結果として、粘着フィルムを使用した切片で、発現量の多いmRNAのシグナルはISH法により得ることができた。しかし、発現量の多いmRNAにおいてさえも再現性にいまだ乏しい。Hybridizationの行程に到るまでRnase Freeの条件下で凍結切片を取扱うことは難しいためと推測された。また、粘着フィルムに、非特異的な発色(残渣)が残ること、温浴による洗浄の際のフィルムの取り扱いの難しさなどを解決するために、さらに手技上の工夫が必要であると思われた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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