本研究では、法医解剖の現場でしばしば経験される胸腺等の免疫臓器の肥大を伴った若年性突然死例のメカニズムに不整脈源性右室心筋症の原因遺伝子の変異が関与するのではないかとの仮説に基づき、遺伝子変異を導入したモデル動物の表現型の検討をおこなった。モデル動物の作成について、実際の法医剖検症例中に、心筋型リアノジン受容体遺伝子変異を伴った若年者の突然死症例があり、この症例が胸腺等の免疫臓器の肥大を伴っていたことから、この症例に発見された遺伝子変異を導入したモデル動物の作成を試みた。当該モデル動物の作成は、本研究課題採択前となる平成18年頃から作成を試みていたが、ベクターの構築、キメラマウスの作成段階でそれ以降のステップが原因不明で進行せず、本研究計画で予定した表現型の解析時期の遅れの原因となった。ベクターの再構築等数多くの再実験の結果、ようやくモデル動物の作成が完了し、平成24年度中にマウスの維持繁殖、タイピング等の経過をたどり解析を開始した。
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