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2010 年度 実績報告書

覚醒剤中毒作用におよぼすストレスの影響 ―ストレス蛋白の関与―

研究課題

研究課題/領域番号 22590644
研究機関川崎医科大学

研究代表者

富田 正文  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50113197)

研究分担者 渡辺 洋子  川崎医科大学, 医学部, 助教 (70135945)
日高 和夫  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00069064)
勝山 博信  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00289175)
キーワードHeat shock protein Hsp / ストレス / グルココルチコイドレセプター / 遺伝子多型 / 覚醒剤 / 中毒
研究概要

覚醒剤の中毒作用におよぼすストレスの影響をグルココルチコイドレセプター(GR)遺伝子多型(GR^8/GR^8, GR^8/ GR^<16>, GR^<16>/ GR^<16>)について比較検討した。今年度は覚醒剤単独群(M),ストレス群(S),覚醒剤+ストレス群(MS)の心筋に焦点をあてた。血中H-FABPレベルは,いずれの多型グループもMS/3hで有意に高値を示し,ストレス下では覚醒剤の心筋障害が強まることが分かった。遺伝子型で比較すると,正常値,S/6hではいずれの型もほぼ同じレベルであったが,M/ 3h, MS/ 3hではGR^<16>/GR^<16>が高値となる傾向を示した。次にホモタイプ(GR^<16>/ GR^<16>, GR^8/ GR^8)について心筋でのheat shock protein70(Hsp70)の遺伝子発現レベルを検討した結果,GR^8/GR^8,GR^<16>/GR^<16>ともにM/3hで高値を示した。またM,S,MS群でGR^<16>/ GR^<16>>GR^8/GR^8であり,MS/3hでは有意差(p<0.05)が認められた。心筋のHsp70タンパクレベルはGR^8/GR^8ではS/6hで,GR^<16>/ GR^<16>ではM/3hおよびS/6hで有意に増加した。遺伝子型で比較すると,一般にGR^<16>/ GR^<16>>GR^8/GR^8の傾向が得られ,M/3hではGR^<16>/GR^<16>がGR^8/GR^8に対して高値を示した(p<0.01)。Hsp90の遺伝子発現についても,M/3hで高い傾向が観察され,とくにGR^8/GR^8で促進が認められたが(p<0.05),多型間に有意差は認められなかった。HspsはGRの高次構造や機能に重要な役割をもち,その発現が個体での毒性発現程度に関与することを考えると,マウスGR遺伝子にみられる多型が,ストレス下における覚せい剤の心筋毒性に関与することが強く示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Water-restraint stress enhances methamphetamine-induced cardiotoxicity.2011

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Tomita
    • 雑誌名

      Chemico-Biological Interactions

      巻: 190(1) ページ: 54-61

    • 査読あり
  • [雑誌論文] マウスでのストレス感受性とグルココルチコイドレセプター多型の関連2010

    • 著者名/発表者名
      富田正文,奥山敏子,勝山博信,渡辺洋子,伏見滋子ら
    • 雑誌名

      DNA多型

      巻: 18 ページ: 42-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alterations in bone turnover by isoflavone aglycone supplementation in relation to estrogen receptor α polymorphism.2010

    • 著者名/発表者名
      Hironobu Katsuyama
    • 雑誌名

      Molecular Medicine Reports

      巻: 3(3) ページ: 531-535

    • 査読あり
  • [学会発表] 拘束ストレス下における覚せい剤の心筋への影響-マウスのグルココルチコイドレセプター(GR)多型の関与-2010

    • 著者名/発表者名
      富田正文
    • 学会等名
      日本DNA多型学会第19回学術集会
    • 発表場所
      三島市(静岡県)
    • 年月日
      2010-11-18
  • [学会発表] ストレス環境下で覚醒剤の心筋に及ぼす影響-Heat shock proteinの関与-2010

    • 著者名/発表者名
      富田正文
    • 学会等名
      第94次日本法医学会学術全国集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京)
    • 年月日
      2010-06-24
  • [学会発表] 覚醒剤の心筋への作用にストレスは影響するのか?2010

    • 著者名/発表者名
      富田正文
    • 学会等名
      第37回日本トキシコロジー学会学術年会
    • 発表場所
      宜野湾市(沖縄県)
    • 年月日
      2010-06-18
  • [備考]

    • URL

      http://www.kawasaki-m.ac.jp/med/study/info.php?id=302

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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