研究課題/領域番号 |
22590657
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
内田 耕一 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80397992)
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研究分担者 |
寺井 崇二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00332809)
山本 直樹 山口大学, 大学教育機構, 講師 (90448283)
高見 太郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60511251)
飯塚 徳男 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (80332807)
坂井田 功 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80263763)
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キーワード | 漢方薬 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 肝繊維化 / 肝前癌性病変 |
研究概要 |
臨床の場においては非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対して様々な治療が試みられているが十分な効果は上げていない。我々はこれまで漢方薬・防風通聖散(TJ-62)の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対する治療効果の検討のため、ラットコリン欠乏性脂肪性肝炎・肝硬変モデルを用いて実験を行なっている。防風通聖散投与群は肝線維化および炎症反応、肝発癌抑制効果を有意に改善した。ここまでのメカニズムについて検討するため、サイトカイン発現を検討したところマクロファージ系のサイトカインの抑制が認められた。このことから、防風通聖散はマクロファージを介した間接的な肝線維化抑制や炎症反応の改善を行っていることが示唆された。肝発癌も線維化や炎症と関連することから抑制のメカニズムにつながる可能性が考えられた。また8種類の生薬からなる大柴胡湯(TJ-8)についても同様の実験を行い、肝線維化及び肝発癌抑制効果を有意に持つことを実証した。漢方薬を使ったこの結果は代替医療の研究が進んだ米国でも注目されている。 この成果をもとに第39回日本肝臓学会西部会ワークショップ「NASH治療の現状と問題点」において「防風通聖散はNASHに対するマクロファージ系の炎症制御効果を持つ治療薬になる」と題して発表を行った。 現在各生薬レベルでの肝線維化効果を検討するため、メダカを用いた脂肪肝・肝線維化モデルにおいて個々の生薬の作用機序について検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで予定してきた内容についてほぼクリアーできている。本年度の目標としている生薬の検討のみが残っている状態である。現在論文投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
防風通聖散の個々の生薬についての検討が今後の大きな課題である。現在メダカを使ってのモデルを作成中である。
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