平成22年度は禁煙補助剤の供給の問題もあり、20名の禁煙希望者のうち本研究には8例しかエントリーできなかった。ピロリ菌抗体陽性者は3例であり、いずれもピロリ菌に対して無治療であった。検体数が少なく、解析には不適であったが、禁煙成功例においては、禁煙後2週間から体重増加が認められていた。体重増加について、禁煙初期の方が、後期よりも体重増加が強い傾向が認められた。また摂食中枢関連ホルモンの動態について摂食中枢刺激ホルモンである「グレリン」に一定の傾向は認められなかった。しかし摂食中枢抑制ホルモンであるGLP-1においては、禁煙初期に減少傾向が認められた。 今年度の結果からは、ピロリ菌の影響を推定することはできなかったが、禁煙後の体重増加機構には、GLP-1が関与している可能性が示唆された。
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