研究課題/領域番号 |
22590662
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
羽野 卓三 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90156381)
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研究分担者 |
川邊 哲也 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60508034)
上山 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264875)
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キーワード | 循環器・高血圧 / 老化 / 脳・神経 / 薬理学 |
研究概要 |
生後6週齢の高血圧自然発症ラット(SHR/Izm)と対象となるWKY/Izmを2群に分け、タウリン群には3%タウリンを飲水として2週間投与した。対象群には水道水を飲水させた。両群をさらに2群に分けストレス群には1時間の拘束による情動ストレスを加えた。末梢血(2ml)から単球層を抽出し培養した。アセチル化LDLおよびレクチンで二重染色し、染色された細胞をEPCと判定し、EPC数をカウントした。SA-Beta-gal stainingとDAPI(核染色)との二重染色を施行し、老化細胞の数を計測した。タウリンはEPC数には影響を与えなかったが、老化細胞数は減少した。次に認知機能について行動解析装置を用いたMorris水迷路試験を行い、回避時間を測定した。WKYにおいてストレスは一過性の認知機能低下を引き起こした。WKYでみられる回避時間の延長はタウリンを慢性投与することで改善した。SHRはWKYと比較して回避時間が短く、幼若SHRではストレスによる認知機能の低下も軽度であった。また、タウリンによる回避抑制効果も少なかった。このように情動ストレスはラットの認知機能を一時的に低下させた。含硫アミノ酸であるタウリンは情動ストレスによる認知機能の障害を抑制した。含硫アミノ酸タウリンは高血圧による内皮障害をEPCの細胞老化を抑制するとともに情動ストレスによる一時的認知機能の低下を抑制した。Pimonidazoleによる組織の虚血状態の評価は幼若SHRではWKYと優位な差がみられなかったことから、ストレス下に差がみられるか、さらにSHR-SPにおいて差がみられるかを検討する予定である。
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