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2013 年度 実績報告書

近赤外線スペクトロスコピーを用いた認知症周辺症状の臨床評価

研究課題

研究課題/領域番号 22590664
研究機関杏林大学

研究代表者

長谷川 浩  杏林大学, 医学部, 准教授 (00237984)

研究期間 (年度) 2010-10-20 – 2015-03-31
キーワード近赤外線スペクトロスコピー / 認知症 / アルツハイマー型認知症 / レビー小体型認知症
研究概要

(目的):我々はこれまで、fNIRSを用いて認知症高齢者の転倒傾向を検討するなかで、高齢者の移動に際して障害物での回避行動において左)前頭葉と右)後頭葉での脳血流量分布が異なる亊を示してきた。今年度は連続的なタスクの繰り返しでの脳血流量変化の様式を検討することによって、認知症疾患別の反応差違を明らかにすることを目的とした。(方法):当センター認知症登録者(アルツハイマー型認知症4名とレビー小体型認知症4名)および正常コントロールとして10名を対象にfNIRSを実施し、以下のタスク(①から④)を連続的に実施し ①座位⇒立位 ②座位⇒閉眼立位 ③座位や目標位置で立位・停止 ④ハンカチテスト(開・閉眼立位でハンカチ把持での安定感の軽減有無)を実施。脳表脳血流量の分布変化の検討を行った。各タスクの間に30秒間の座位・閉眼状態を置いた以外、一連の行為として実施した。(結果):コントロール10例 の検討では、20-30歳台はタスクを加わる毎に左)前頭部と右)前頭部は累減的な脳血流分布を示すが、認知症10例に対してタスクを実施した結果、レビー小体病においてはタスク毎の累減現象を認めず、またアルツハイマー型認知症では右)前頭葉の累減現象は認めず、逆に左)後頭葉では累増現象を認めた。(結論):認知症患者は単純な運動タスクの負荷によって、アルツハイマー型認知症では正常者にみられる右)前頭葉での脳血流量の累減現象を認めず、逆に正常者には認めるミラー的な変化を示す左)後頭葉では逆に累増現象を認めた。またレビー小体型認知症(DLB)では左)前頭葉・右)後頭葉 共に脳血流量の累減現象を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

認知症の病型別に周辺症状、特に視覚に関する部分を明確にできており、これらは認知症患者の形態認知機能の低下についてそのメカニズムに迫ってきている。

今後の研究の推進方策

現在の方向性で研究を進める予定である。問題点としては協力を得られる患者の数が当初の予定よりもやや少なめな点である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 生活習慣病から認知症予防を考える。V.認知症に対するチーム医療:病診連携2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川 浩
    • 雑誌名

      月刊糖尿病

      巻: 6 ページ: 68-72

  • [雑誌論文] 高齢認知症における移動準備動作および準備量に対する動的脳血流量分布の検討2013

    • 著者名/発表者名
      中居 龍平、山田 如子、小林 義雄、長谷川 浩、神崎 恒一
    • 雑誌名

      Dementia Japan

      巻: 27 ページ: 525

    • DOI

      NA15320290

  • [学会発表] 高齢認知症における移動準備動作および準備量に対する動的脳血流量分布の検討2013

    • 著者名/発表者名
      中居 龍平、山田 如子、小林 義雄、長谷川 浩、神崎 恒一
    • 学会等名
      日本認知症学会
    • 発表場所
      松本市
    • 年月日
      20131108-20131110

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公開日: 2015-05-28  

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