研究課題/領域番号 |
22590666
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
新井 信 東海大学, 医学部, 准教授 (30222722)
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研究分担者 |
梶原 景正 東海大学, 医学部, 講師 (00204397)
石井 直明 東海大学, 医学部, 教授 (60096196)
日置 智津子 東海大学, 医学部, 講師 (50393195)
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
大島 吉輝 東北大学, 薬学部, 教授 (00111302)
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キーワード | ダイオウ / マイクロアレー / 線虫 / マウス / センノシド / 寿命延長 |
研究概要 |
1.線虫へのダイオウ投与による寿命延長効果の解析 既に報告されている線虫寿命へのダイオウの影響について、ダイオウを混合した培地を用いて線虫寿命を検討した。約60%の線虫で寿命延長が認められたため、通常寿命と寿命延長した線虫との間でメッセンジャーRNA(mRNA)の発現を比較検討したところ、5倍以上発現量が変化したmRNA分子種を単離することができた。また、線虫培養開始からサンプリングする期間による上記mRNA発現変化について検討した結果、ヒトホモログが存在するいくつかの線虫遺伝子を単離することができた。現在、それら遺伝子のヒトホモログの発現動態・組織分布とダイオウの薬効が発揮する部位・適応症状などと比較検討している。特にダイオウの適応症である腎臓疾患を踏まえ腎臓での発現に注目して検討し、ヒトおよびマウスのホモログが存在する線虫遺伝子を単離することができた。 2.減センノシドダイオウの調製 ダイオウに含有されるセンノシドは下痢症状を惹起し、動物実験を行う上での支障になる。本年度はダイオウ末を加熱処理することにより、ダイオウに含有される他の主要成分をほとんど保持したまま、センノシドのみを減じたダイオウ(減センノシドダイオウ)を調製する方法を開発することができた。 3.ダイオウ投与モデルマウスの作製 ヒトへのダイオウの通常投与量の10倍濃度の減センノシドダイオウをマウスに経口投与しても瀉下作用がほとんど認められないことを確認した。このダイオウを14日間投与したマウス(寿命からヒトの約1年間と同等)と同期間水を投与したマウスから腎臓・肝臓などをサンプリングした。今後、上記の単離したダイオウ標的候補遺伝子の発現動態解析に使用する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダイオウ投与により寿命延長した線虫より単離された遺伝子は、ダイオウ未投与またダイオウ投与しても寿命延長しなかった線虫では発現レベルで5倍以上変化が認められたもので、ヒトを含めた哺乳動物にホモログをもつ遺伝子である。当初目的であるヒトホモログをもつダイオウ標的遺伝子の単離に成功した。しかしこれら遺伝子のマウスホモログが、ダイオウ投与したマウスでも線虫と同様な発現変化するかは検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
得られたヒトホモログをもつ線虫由来のダイオウ標的遺伝子について、今後はマウスを用いて発現解析を行ない、 (1)ダイオウの適応症と関連ある組織で発現しているか?(マウスでの発現解析) (2)ダイオウ投与によりマウスで発現変化する遺伝子か? (3)血液・尿など可能なヒト検体サンプルでも(2)と同様な変化が認められるか? 上記の解明項目を検討していきたい。
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