研究課題/領域番号 |
22590668
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
山本 直宗 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (00454546)
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研究分担者 |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
奥宮 清人 総合地球環境学研究所, 准教授 (20253346)
大塚 邦明 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60038908)
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キーワード | 老年医学 |
研究概要 |
高齢者において認知機能障害は、患者の生命予後のみならずQOLやADLを低下させる。また認知機能障害は治療コンプライアンスを低下させ、他の合併症の治療抵抗性に繋がる大きな因子である。糖尿病患者は糖尿病のないコントロール群に対し、約2~3倍の脳血管性認知障害のみならず、アルツハイマー型認知症の合併の頻度がたかいことが報告されている。動物においてPPARγはβセクレターゼの抑制およびβアミロイドのクリアランスの亢進を介して認知機能を改善することが報告されている。そこで私たちは平成23年度に一次評価としてPPARγagonist使用群とコントロール群の認知機能を含めた総合機能評価、動脈硬化の比較、インスリン抵抗性の評価を行い比較した。現在のところ、両群間で明らかな、認知機能の低下の差は認めていない。その原因の一つとして、両群間の血糖のコントロールはHbA1c(JDS)で5.5~6.5%と非常にコントロール良好であったため、コントロール群を含め両群間で認知機能低下が同様に抑制されている可能性がある。したがって、現在登録されている症例に加え、血糖コントロール不良の年齢と性別をマッチさせた糖尿病群および非糖尿病群で認知機能が低下したmild cognitive impairment群を新たに比較する対照群に加える予定である。 現在、当施設にはコントロール不良の75歳以上の糖尿病患者が、外来および通院患者で約30名~40名おり、今後認知機能検査を含めた総合機能評価を行い、今までの対照群と比較検討を行う予定である。 なお平成23年度の成果の一部は老年学会総会、糖尿病学術年次集会、内分泌学会総会、アジア・オセアニア国際老年学会に報告し、論文報告を行った(Yamamoto N et al. Geriatr Gerontol Int. 2012 12 164-5)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予想と違い、コントロール群と認知機能の差が出なかったため、他の対照群も増やして検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在登録されている症例に加え、血糖コントロール不良の年齢と性別をマッチさせた糖尿病群および非糖尿病群で認知機能が低下したmild cognitive impairment群を新たに比較する対照群に加える予定である。
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