研究課題/領域番号 |
22590672
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
宮田 健 崇城大学, 薬学部, 客員研究員 (90040310)
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研究分担者 |
礒濱 洋一郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (10240920)
横溝 和美 崇城大学, 薬学部, 教授 (80240919)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 粘膜ワクチン / アジュバント / 漢方薬 / インフルエンザ |
研究概要 |
インフルエンザなどの感染性疾患の感染を予防するためには,気道や消化管の粘膜でのIgAの産生を誘導する粘膜ワクチンが必要だが,これにはアジュバントを用いることが必須である。本研究は、漢方薬の免疫賦活作用を検討しアジュバントとしての有用性を見出すものである。本年度は、麦門冬湯および麻黄湯について検討した。BALB/cマウスに漢方薬を500mg/kg/day,14日間経口投与後、マウスの血液中および肺洗浄液中のIgA抗体量とIgG抗体量をELISA法により測定した。その結果、血液中のIgA抗体量は麦門冬湯投与群では対照群と同程度、麻黄湯投与群では約1.6倍と有意に増加した。さらに、インフルエンザHAワクチンを鼻腔内接種し、漢方薬を同条件で14日間経口投与後、各抗体量をELISA法により測定した。血液中のIgA抗体量は麦門冬湯投与群では約1.3倍、麻黄湯投与群では約1.7倍と有意に増加した。肺洗浄液中のIgA抗体量は麻黄湯を28日間投与したマウスのみに約2倍の増加が認められた。また、血液中のIgG抗体量は28日間投与群において麦門冬湯で約1.8倍、麻黄湯で約2倍の増加が見られた。さらにHA抗原に特異的な抗体量を調べるためにHI試験法によりインフルエンザHA抗原による赤血球凝集反応に対する阻害活性を検討した結果、血液において麦門冬湯投与群では約4.8倍、麻黄湯投与群では約7.8倍の阻害活性の増加が見られた。一方、肺洗浄液には阻害活性の増加は認められなかった。これらの結果より、麦門冬湯および麻黄湯にはIgA抗体、IgG抗体産生の誘導効果があり、特に麻黄湯の作用は顕著であることが明らかとなった。血液中ではインフルエンザウイルスに特異的な抗体の増加も見られたことから、アジュバント効果も認められたが、肺洗浄液中のウイルスに特異的な分泌型IgAの増加には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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