研究課題/領域番号 |
22590674
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
岡崎 研太郎 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (90450882)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
岡田 浩 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (10533838)
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キーワード | 糖尿病 / 医学教育 / 患者医療者関係 / コミュニケーション / プライマリ・ケア |
研究概要 |
本年度は、患者中心の医療というエンパワーメントの理念を理解し、糖尿病診療・療養指導の現場でこの理念に基づくケアを実施するための具体的なスキルを獲得するための教育プログラムを開発した。このプログラムは、ワークショップ型医療者教育プログラムであり、「糖尿病劇場」と命名した。 「糖尿病劇場」とは、日常どこででもみかける糖尿病患者の診療風景をモチーフとした演劇を上演し、その後に参加者(聴衆)とディスカッションをおこなうという形式のワークショップである。このワークショップを通じて、演劇に登場する患者と医療者のすれ違いの原因を皆で考えることによって、参加者が自分の日常診療(療養指導)を振り返り、よりよい診療・療養指導スキルを身につけることをねらいとしている。演劇のテーマは、患者-医療者間のコミュニケーション、望ましい患者-医療者関係、家族のサポート、チームとしての糖尿病ケア、などで、診療のトピックは栄養指導、服薬指導、フットケア、血糖自己測定、インスリン導入など多岐にわたる。 本年度は、プライマリ・ケアに従事する医師を対象とした講習会を30名程度の規模で、東京にて実施した。加えて、コメディカルを対象とした同様の講習会を大阪、名古屋など全国各地で実施した。これらの講習会で収集した調査票の結果を分析し、一部は学会で発表した。 また、ミシガン大学糖尿病研究訓練センターで開発された、医療者の糖尿病治療への態度を測定することのできる質問紙「Diabetes Attitude Scale」の日本語版開発が進行し、信頼性と妥当性の検討を待つ段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)教育プログラム「糖尿病劇場」を開発し、講習会をプライマリ・ケア医やコメディカルを対象として全国各地で複数回実施することができた。2)上記講習会で収集した調査票の回答内容を、量的・質的に分析することができた。3)質問紙「Diabetes Attitude Scale」の日本語版開発が進行した。 このように、現在のところ、研究はおおむね順調に進捗していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
【プログラム評価に関する研究計画の一部変更点】 プログラム評価に関して、調査票による評価だけでなく、講習会のビデオ映像をもとに、質的研究手法による評価も合わせて実施する予定にした。 【講習会番外編の実施】 コミュニケーション能力の向上を目的とした多職種参加のインプロワークショップを番外編として企画・実施し、後日、参加者へのインタビューによって評価を行う。
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