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2010 年度 実績報告書

食道の炎症と腫瘍におけるマクロファージ遊走阻止因子の役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22590675
研究機関北海道大学

研究代表者

大川原 辰也  北海道大学, 大学院・医学研究科, 客員研究員 (00374257)

キーワードマクロファージ遊走阻止因子 / 食道炎 / 好酸球 / 食道腫瘍 / MIF活性阻害剤
研究概要

マクロファージ遊走阻止因子(MIF)は活性Tリンパ球より分泌され遅延型アレルギー反応など細胞性免疫に関与する液性因子として発見され,様々な炎症性疾患でMIFの発現が増強し病態の増悪に関与する因子である.消化管の炎症性疾患や腫瘍性疾患におけるMIFの役割も徐々に証明されてきており,病態形成において重要な役割を持ち、特に難治性疾患に対するターゲット分子として注目されている。マウスモデル消化管疾患においては抗MIF抗体投与による炎症の抑制や腫瘍増殖の抑制が確認され,MIF活性阻害による治療がヒトでも期待されている。本研究課題での当該年度の目標として、食道炎マウスにおけるMIFの解析および食道上皮細胞、食道癌細胞におけるMIFのin vitroでの機能を検討することであった。全体計画としてはさらに抗MIF抗体やMIF活性阻害剤(ISO-1)などを用いた新規治療法を開発することを目的としている。
まず,逆流性食道炎などで起きる胃液(胃酸)の食道逆流が野生型マウスとMIFノックアウトマウスで差が見られるか解析したが、胃酸分泌量には有意差を認めず、また、胃酸分泌刺激を薬剤を用いて誘導したが、これも野生型マウスとMIFノックアウトマウスの胃酸分泌量に差を認めなかった。この結果は当該年度に論文投稿し掲載された。
次に,難治性であり原因が不確定である好酸球性食道炎についてマウスでの解析を行うため、マウス食道組織の好酸球浸潤・他の免疫細胞浸潤およびMIF染色陽性細胞について検証したところ,健常の野生型マウスではMIF陽性細胞や好酸球浸潤がほとんど見られず,MIFノックアウトマウスにおいても好酸球浸潤はほぼ見られなかった。好酸球性食道炎はアスペルギルス抗原を用いて作成を試みており,疾患マウスの食道組織の解析を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Macrophage migration inhibitory factor contributes to development of nonsteroidal anti-inflammatory drugs-induced gastric injury in mice.2011

    • 著者名/発表者名
      Ohkawara T, Takeda H, Ohnishi S, Kato M, Nishihira J, AsakaM.
    • 雑誌名

      International Immunopharmacology

      巻: 11 ページ: 418-423

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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