研究課題/領域番号 |
22590711
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
光山 慶一 久留米大学, 医学部, 准教授 (20200066)
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研究分担者 |
竹田津 英稔 久留米大学, 医学部, 助教 (80352144)
山崎 博 久留米大学, 医学部, 助教 (20529565)
桑木 光太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (60425171)
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キーワード | クローン病 / バイオマーカー / TCPペプチド / 米由来タンパク / ELISA |
研究概要 |
欧米人クローン病の疾患特異的バイオマーカーの日本人クローン病患者における感度・特異度は満足できるものではなく、日本人クローン病特有のマーカーの確立が望まれている。我々は、ファージディスプレイ法により、抗TCPペプチド抗体がその候補となり得ることを見出した。さらに、TCPペプチドの相同性検索では、米由来タンパク(RCCP : rice chloride channel protein)との相同性が極めて高いことを明らかにした。本年度は、TCPペプチドの対応抗原を決定することを目的として検討を行った。 RCCPのcDNAを人工合成遺伝子として作製し、カイコ発現ウィルス作製用ベクターに組み込んでカイコ発現ウィルスを作製し、カイコによりRCCPを発現させた。つぎに、得られたRCCPを精製し、抗TCPペプチド抗体(ウサギポリクローナル抗体、患者由来抗体)との反応性をウェスタンブロット解析により確認した。その結果、微量ながらTCP353ペプチド抗体と反応するバンドが90kDa付近に見出した。ペプチド添加による阻害実験での特異性の確認はまだ実施していない。一方、発現させたRCCPのC末端にHisタグをつけたHisタグ抗体によるウェスタンブロットでも発現を確認したが、この場合には100kDa付近に弱いシグナルが認められ、TCP353ペプチド抗体と反応するシグナルとは異なっていた。これらの結果より、現時点ではRCCPとTCP353ペプチド抗体との反応については疑わしい状態である。 今後、RCCPの精製(Hisタグを利用した部分精製)をさらに進め、RCCP抗体を測定するELISAを作製し、クローン病を含めた各種疾患患者血清にてRCCP抗体の抗体価を測定し、クローン病での特異性・感度を検討するとともに、腸炎モデルマウスを用いた動物実験により、RCCPのクローン病の病因・病態への関与を検討する予定である。
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