研究課題/領域番号 |
22590717
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅岡 良成 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90431858)
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研究分担者 |
池上 恒雄 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80396712)
伊地知 秀明 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70463841)
佐々木 隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10569106)
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キーワード | 肝臓学 / 肝内胆管癌 |
研究概要 |
本研究では、マウスモデルおよび臨床検体を用いて、肝内胆管癌発生に関わる起源細胞および慢性肝障害の影響を明らかにするとともにこれに対する有効な治療法を開発することを目的とする。この目的を完遂するために、 1.肝内胆管癌マウスモデルの作成 2.肝内胆管癌の形成に関与するシグナルとクロストークおよび分子標的薬を含んだ化学療法の有効性に関する検討 3.マウスモデルおよび臨床検体を用いた慢性肝障害と肝内胆管癌の関連および起源細胞に関する検討を行っていく。 今年度は、1.で得られた肝内胆管癌マウスモデルの解析を行った。リン酸化ERK.リン酸化AKTに対する抗体を用いた免疫染色により、MAPK-ERK、PI3K-AKTシグナルが活性化していることを確認し、これらの阻害剤が効果を示す可能性を示唆した。また、当初、解析を行っていたAlb-Cre,LSL-KrasG12D,Pten hom knockoutマウスだけでなく、hetero knockoutマウスでの解析も行った。生後7か月のマウスでは、肝内胆管癌とともに、肝細胞腺腫も生じるという興味深い結果を得た。腺腫が肝細胞癌にまでいたるかについては、さらなる検討が必要であるが、このような現象は、臨床でも、混合癌として注目されているものである。現在、これらのマウスを増やすとともに、遺伝子発現や活性化シグナルの違いを検討すべく条件を検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に繁殖が行えており、各種解析可能な段階になっている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で用いているモデルマウスでは、早期に発癌をきたし死亡するが、遺伝子改変が胎児期に起こっている可能性があり、本研究のひとつの目的である胆管癌の起源細胞を検討するためには、成熟した肝細胞から癌細胞が生じるのか検討する必要がある。このため、成体となったあとに遺伝子改変をおこすモデルでの解析も必要となる。この目的をはたすため、現在、アデノウイルスベクターを用いた成体マウスの肝細胞における遺伝子改変、発癌モデルを検討中である。
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