研究課題
基盤研究(C)
本研究は、臨床使用されているインターフェロン(IFN)のなかで、肝癌を最も強く予防できる可能性が明らかになってきたIFNβ(ベータ)の発癌防御機構を解析し、実効性の高い予防医療を確立することを目的とした。我々は代表的ながん抑制遺伝子であるyclin-dependent kinase(CDK) inhibitor(p21)の発現異常が、肝がん発症とその予防の鍵を握る遺伝子であることを明らかにした。更に我々は、IFN-βがp21の細胞内局在を核優位な局在に変化させることによって、本来の細胞増殖抑制作用を回復させて、肝発癌予防に関与することを見出した。(Liver International 2013, In press)。このように、本研究によって、B型肝炎ウイルスによってもたらされる肝細胞内でのp21の発現異常が,最終的に肝発癌を誘発する1つの機構であると考えられた.またIFN-βは,この様な分子機構の抑制によって発癌を予防することが示唆され,臨床応用への道筋が開かれたと考えられる。
すべて 2013 2012 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Liver Int
Cancer Lett
巻: 319(1) ページ: 98-108
Hepatol Res
巻: 41(2) ページ: 118-25
Nihon Shokakibyo Gakkai Zasshi
巻: 108(2) ページ: 267-74
World J Hepatol
巻: 3(1) ページ: 15-23
Hepatogastroenterology
巻: 58(107-108) ページ: 965-70