研究課題
23年度の実績1.自己免疫性肝炎の症例収集とデータ解析では、愛媛大学からの症例と合わせ200例を超える長期観察例の臨床データ、長期予後、発がん、遺伝的因子を解析して、雑誌「Hepatology 2012」にアクセプトされた。原発性胆汁性肝硬変に関しても疾患感受性とHLAの関連を詳細に検討し、雑誌「Hepatology 2012」に掲載された。2.自己免疫性肝炎のゲノムワイドアソシエーション解析(GWAS)は、当科症例のデータは解析中である。現在のところ、有意な遺伝子領域はいくつかあるが、それほど強い関連を示すものはない。当科の症例数が少ないため、厚生労働省難治性肝疾患研究班での共同研究が進行中である。3.原発性胆汁性肝硬変に関しては、長崎医療センターおよび国立病院機構肝疾患研究班と共同で、CTLA4とSLC4A2と疾患感受性について報告した(J.Gastroenterol2011)。同疾患のGWASに関しては、上記施設と共同研究が進行中である。4.サイトカイン・ケモカインの解析に関しては、蛍光マイクロビーズアレイシステムLABScanTM100 with XYPで30種類以上を網羅的に解析、自己免疫性肝炎の発症にかかわる数種類を同定し、ネットワーク解析を発表した(Hepatol Res 2011)。その後、より詳細な、肝炎の発症から治療介入を経時的に解析している。
2: おおむね順調に進展している
23年度に計画された目標のうち、ゲノムワイド解析以外は論文となり、とくにHepatologyの2本の論文は高く評価されている。免疫関連蛋白であるサイトカインの解析も論文となり、さらに研究を進めている。以上より、おおむね順調に進展していると判断される。
自己免疫性肝炎は症例数が少なく、ゲノムワイド解析は多数の施設の参加が必要である。現在、厚生労働省難治性肝疾患研究班で全国規模の解析が行われている。その結果として、重要な遺伝子が発見された時には、当科で長期にわたって集積した症例を使ってより詳細な解析を行うことができる。
すべて 2012 2011
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