研究課題
1.ペグインターフェロンαとリバビリン併用療法を導入したgenotype 1かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎950例を対象に、宿主ゲノム(IL28B rs80099917)とウイルス変異(Core 70、ISDR)を含めた背景因子と治療効果の関係を検討した。SVR率は39% (372/950)であり、背景因子では年齢、性別、血小板数、γ-GT、ウイルス量、ヘモグロビン値、フェリチン値がSVRに関連していたが、IL28BおよびCore 70を加えた解析では、IL28Bのみが有意な因子であり(P<0.001)、Core 70、γ-GT、フェリチン値に傾向が見られ、治療反応性における宿主因子の影響が明らかとなった。2.組織学的に診断した非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) 50例と、背景(年齢、性別、BMI)を一致させたC型慢性肝炎(CHC)を226例より抽出し、PNPLA3遺伝子多型(rs738409)を解析した。PNPLA3遺伝子多型は、NAFLDでCC/CG/GGが3/22/25、CHCで11/28/11とrisk alleleの頻度がNAFLDで有意に高かった(P=0.005)。さらに肝脂肪化が30%以上の症例での解析では、CHCとNAFLDの全例がG alleleを有していた。すなわちC型慢性肝炎で脂肪化の強い症例では、NAFLD同様の病態が関与していると考えられた。3.新規に診断された肝細胞癌638例(B型 72例、C型 462例、非B非C 104例)におけるMICA遺伝子多型(rs2596542)を解析した。B型および非B非Cに比較してC型において、MICAのrisk allele (A/A)が有意に高率であることを見出した(P=0.049)。生存率とは有意な関連を認めなかった。C型肝炎の肝発癌におけるMICA遺伝子多型の関与が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Gastroenterology
巻: 48巻 ページ: 405-412
DOI:10.1007/s00535-012-0647-3