研究課題/領域番号 |
22590738
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
正木 勉 香川大学, 医学部, 教授 (30335848)
|
研究分担者 |
米山 弘人 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (80294750)
出口 章広 香川大学, 医学部, 助教 (30380174)
樋本 尚志 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20325343)
|
キーワード | マイクロRNA / 転移性肝癌 |
研究概要 |
胃癌細胞株、MKN1、MKN45、MKN74を用いてメトフォルミンの抗腫瘍効果を検討した。in vitroの系でMTTアッセイにより濃度依存的に細胞増殖抑制効果があった。また、その細胞増殖抑制効果は、ウェスタンブロット解析から細胞周期関連分子cyclinD_1、Cdk4、Cdk6、cyclinE、Cdk2を抑制することによって起こることが判明した。またin vivoの系でMKN74をヌードマウスに移植し、メトフォルミンを投与群は非投与群と比較し、腫瘍の増殖は抑制されていた。またin vitro、in vivoの系でメトフォルミン投与と非投与の癌細胞において1000のマイクロRNAの発現をチップを用いて解析した。メトフォルミン投与、非投与の癌細胞におけるマイクロRNAのクラスター解析によって独立した2群に分けられた。このような現象は大腸癌細胞株、肝癌癌細胞株、胆のう癌細胞株、膵癌細胞株についても解析し、胃癌と同様な結果を得ている。またレセプター型チロシンリン酸化酵素の網羅的解析をプロテインアレイを用いて解析した。EGFKの活性が、メトフォルミン投与でin vitro、in vivoの系で低下していた。またEGFKのチロシンリン酸化も低下していた。そのチロシンリン酸化部位もメンブレンアレイを用いて固定された。以上の結果からメトフォルミンは種々の癌細胞を細胞周期のG_1で停止させ、EFGKも低下させることにより、細胞増殖を抑制すると考えられた。さらにメトフォルミン投与により種々のマイクロRNAも変化し、このマイクロRNAの変化もまた癌細胞の増殖抑制に関与していると考えられた。
|