研究概要 |
胃癌細胞株、MKN1,MKN45,MKN74を用いてメトフォルミンの抗腫瘍効果in vitro, in vivoで確認した。さらに、メトフォルミンは、Cyclin D1を減弱させることにより、細胞周期を抑え癌細胞増殖の抑制効果が見られた。マイクロRNAの網羅的解析から、メトフォルミンの投与によって、let7の増加がみられ、そのターゲット遺伝子であるCyclin D1が減少するのではないかと考えられた。この内容はMol, Cancer Therapeutics 11, 549-560, 2012.に掲載した。さらに、食道癌、大腸癌、膵臓癌、胆肝細胞癌、肝癌、についても同様な現象が見られているごとを確認している。また、メトフォルミンの血管新生分子の発現に関して、Angなどの発現が、低下しており、血管新生分子の抑制を関して、癌細胞の増殖抑制に働いていると考えられる。 現在転移性肝癌モデルを作成し、メトフォルミンの抑制効果を確認するとともに、let7の遺伝子導入により、in vitro, in vivoの系で種々の癌細胞の増殖が抑制できるかどうかを確認している。
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