研究概要 |
胃癌細胞株、MKN1、MKN45、MKN74、肝がん細胞株HLE, HLF, Huh7,Alex、大腸癌細胞株Caco2, WiDr,Colo320, 膵癌細胞株 PK-1, PK-7, Panc-1、食道癌細胞株T.T, KYSE30, KYSE70を用いてメトフォルミンの抗腫瘍効果を検討した。 すべての癌腫において、in vitroの系でMTTアッセイにより濃度依存的に細胞増殖抑制効果があった。また、フローサイトメトリーを用いた細胞周期の解析から、メトフォルミンは、種々の癌細胞のG1アレストを引き起こしていた。 メトフォルミンの細胞増殖抑制効果は、ウェスタンブロット解析から細胞周期関連分子cyclinD1、Cdk4、Cdk6、cyclinE、Cdk2を抑制していた。また、メトフォルミンはレセプター型チロシンキナーゼを有する分子、特にEGFRの活性をすべての癌腫において減少させていた。またin vivoの系でMKN74、WiDr、Huh7,Panc-1をヌードマウスに移植し、すべての癌腫において、メトフォルミンを投与群は非投与群と比較し、腫瘍の増殖は抑制されていた。またin vitro、in vivoの系でメトフォルミン投与と非投与の癌細胞において多くのマイクロRNAが変化していた。以上の結果からメトフォルミンは種々の癌細胞を細胞周期のG1で停止させ、細胞増殖を抑制すると考えられた。さらにメトフォルミン投与により種々のマイクロRNAも変化し、このマイクロRNAの変化もまた癌細胞の増殖抑制に関与していると考えられた。 また、大腸がんの転移在転移性肝癌モデルを作成し、メトフォルミンの投与により、その腫瘍の増大の抑制が認められ、マイクロRNAも変化させた。
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