研究概要 |
平成23年度は単純性脂肪肝,NASHを含むNAFLDや肝硬変症例に対して前向きに精密なプロトコールによる食事運動療法を実施しその介入前後での骨格筋脂肪化の変化と長期経過による変化の有無を含め解析した。 結果1) 非アルコール性脂肪性肝疾患や肝硬変症に対して、食事・運動療法を実施し,内臓脂肪蓄積の改善ならびにインスリン抵抗性,脂質異常症,高血圧症,高尿酸血症の変化と「多裂筋組織CT値による筋年齢」の関連を評価した。さらに,運動量の評価に関しては厚生労働省が示した「健康作りのためのガイドライン2006」を用いて運動量の単位である「エクササイズ」を求め,ガイドラインに則り,運動療法の目標を設定し,個々の症例での身体活動およ「び運動量の達成度を聞き取り調査・運動日記から推定し,実際の運動量と「多裂筋組織CT値による筋年齢」の改善を検討したところ、運動療法が実施できた症例においては有意な筋組織の脂肪化の改善を認めた。 結果2) 当院を受診した肝硬変症症例に対して各症例における身体活動・運動量を求め,肝予備能を考慮した3~6ヶ月間の運動療法を行い,低アルブミン血症を合併する症例には,3~6ヶ月間の運動療法に加え分岐鎖アミノ酸製剤を投与し,血清アルブミン値などの肝予備能の改善と「多裂筋CT値による筋年齢」の変化について検討を行ったところ、骨格筋の脂肪化の軽減が見られた症例においては、アルブミンの改善も観察され、肝不全の栄養に骨格筋が関連していることが明らかとなった。
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