研究課題/領域番号 |
22590747
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
池上 正 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40439740)
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研究分担者 |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10468639)
松崎 靖司 東京医科大学, 医学部, 教授 (50209532)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | C型肝炎ウイルス / コレステロール / 酸化ステロール / 胆汁酸 / 7dehydroxycholesterol |
研究概要 |
HCV(C型肝炎ウイルス)感染者にみられる血清コレステロールの低下と、肝組織中のコレステロール合成経路に関わる酵素のmRNA発現の増加という乖離した事象を説明するために、血清中に微量に逸脱する各種ステロールをLC-MS/MSにて測定し健常者と比較した。 HCV感染患者に特徴的なステロールマーカーのパターンは、①コレステロール合成系は変化無く、②胆汁酸合成は亢進、③酸化ステロール合成は亢進、④コレステロール吸収は亢進 というものであった。①のコレステロール合成系を詳細に解析すると、HMG-CoA還元酵素(HMGCR)の直接代謝物であるメバロン酸は変化無く、コレステロールの直前の代謝物である7-dehydroコレステロールが有意に増加していた。これらの中間に位置する代謝産物では差がなかった。さらに、IFNで治療を開始した後3ヶ月後にはこれらのパターンは健常人に類似したものに戻っていた。上記のパターンは、肝細胞からのコレステロールからの分泌障害があると考えると最も説明が合理的である。さらに、mRNAレベルでの合成系酵素の発現亢進は酵素活性の増加に伴っていないと考えられ、これを説明するためにHuh-7細胞にHCVレプリコンを感染させ検討したところ、HCV感染によりHMGCRの蛋白発現は亢進するものの、リン酸化レベルは変化無く、翻訳後修飾の可能性が示唆された。 HCVは既報のごとく、おそらくHMGCRを初めとする酵素をup-regulationさせ、さらにVLDLの分泌障害を起こし細胞内コレステロール濃度を高めるべく働いているが、生体は合成系酵素の活性を抑制し、さらに過剰な細胞内コレステロールを胆汁酸や酸化ステロールに転化させることでその蓄積をコントロールしようとしていると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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