§AIH発症時のNKT1/NKT2バランス動態と他の免疫動態との関連の解析 *NKT1/NKT2バランスの解析 肝炎期、改善期の肝臓をpronase/collagenase処理しリンパ球分離液を用いた比重遠心により肝内浸潤単核球を得て、NK1.1抗体とNKT1が優先的に使用するVα14に対する抗体、NKT2が優先的に使用するVα3.2に対する抗体を用いたFACS解析により各病期における肝内NKT1/NKT2細胞数比を定量的に評価し、同じ抗体を用いた免疫組織化学検討によりNKT1、 NKT2の肝内分布について検討した。 その結果、肝炎期にはNKT1細胞数が多く、一方、回復期にはNKT2細胞数が多く、免疫組織化学的検討においても、NKT1、NKT2の肝内分布は、肝炎期にはNKT1細胞、回復期にはNKT2細胞が優位であることが明らかとなった。以上より、肝炎の病態形成にはNKT1細胞が、その回復にはNKT2細胞が関与している可能性が示された。 *Treg、CTLとの関連の解析 CD25・Foxp3抗体、CD8抗体を用いたFACS解析により肝内Treg、 CD8を定量的に評価し、NKT1/NKT2バランスとの関連を検討し、さらに免疫組織化学検討により、NKT1、NKT2とTreg、CD8の位置関係について検討した。 その結果、NKT1/NKT2バランスと肝内Treg、CD8細胞浸潤の程度の間には、なんらの有意な相関を認めることはなかった。以上の結果から、NKT1/NKT2バランスは肝内Treg、CD8細胞の動態には影響を及ぼさないことが明らかにされた。
|