研究課題/領域番号 |
22590752
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
鳥村 拓司 久留米大学, 先端癌治療研究センター, 教授 (60197986)
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研究分担者 |
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助教 (30341332)
谷口 英太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (50341318)
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キーワード | αSMA陽性細胞 / CXCR4遺伝子 / siRNA / 可溶性VEGFレセプター1,2 |
研究概要 |
in vitroの検討 マウスiPS細胞から(らの方法にしたがい)αSMA陽性細胞へ分化誘導させ、さらに単離した細胞株を作成した。この細胞株を用いてより細胞の遊走能を高めるためにCXCR4遺伝子をレトロウイルスを用いて導入した。この遺伝子導入した細胞からG418を用いて細胞株を作成した。この細胞株を用いて、Boyden chamberによるSDF-1に対する細胞遊走能をCXCR4遺伝子を導入していないαSMA陽性細胞と比較したがわずかに遊走能が亢進しているのみであった。現在、再度αSMA陽性細胞にCXCR4遺伝子を導入し新たなベクター細胞を作成している。作成したαSMA陽性細胞の産生する腫蕩の増殖に関与する増殖因子を検討するため、プロテインアレイで検討したところVEGF、PDGFが腫瘍の増殖に関係する重要な増殖因子と考えられた。VEGFのsiRNAを用いてその発現を抑制を試みたが恒常的に発現を抑制する細胞株は作成できなかった。さらに、αSMA陽性細胞に対し可溶性VEGFレセプター1,2cDNAをアデノウイルスベクターを用いて遺伝子導入し可溶性VEGFレセプター1,2の培養液中への分泌をウエスタンブロットにて確認した。 invivoの検討 ヒト肝癌細胞株をヌードマウスに皮下接種し作成した肝癌細胞株に対して試験的に可溶性VEGFレセプター1,2cDNAをアデノウイルスベクターを用いて遺伝子導入したaSMA陽性細胞を投与した結果、対照群に比べて抗腫瘍効果を認め、腫瘍組織を観察すると、CD31陽性腫瘍血管数は対照群に比べて治療群では減少していたが、蛍光色素多添加しt_aSMAfib性細胞の局在は予想に反して乏しかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初昨年度に予定していた、CXCR4を遺伝子導入した細胞の作製がうまくいかず、今年度に持ち越したことから、in vivoで可溶性VEGFレセプター1,2を遺伝子導入して治療に用いる予定の細胞が完成していないため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年予定していたαSMA陽性細胞にCXCR4を遺伝子導入した細胞の作製を行い、この細胞を用いて予定している、in vivoの実験を行い腫瘍局所で血管新生抑制療法を行うことの有用性を証明する。
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