研究課題/領域番号 |
22590757
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 明子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (60402385)
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研究分担者 |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (90303651)
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キーワード | CFTR(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator) / NHE(Na^+-H^+ exchange) / 単離膵管 |
研究概要 |
嚢胞性線維症(cystic fibrosis)と一部の慢性膵炎では、CFTR(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator)の機能障害によって膵液のアルカリ化が障害される。我々はこれまで、CFTRに依存するHCO_3^-分泌の低下に加えて、Na^+-H^ +exchanger 3(NHE3)を介するH^+分泌の増加が、膵液アルカリ化障害の原因であることを明らかにした。本年では、cystic fibrosisのモデル動物であるCFマウスから単離した小膵管を用いて、雌雄によるNHE3活性の違いがNHE3の活性に与える影響を検討した。CFマウス(cystic fibrosisマウス)の膵臓から小葉間膵管を単離し、管腔内を表層とは別個に灌流(microperfuhsion)して細胞内pHを測定することにより、導管上皮管腔膜のNa^+-H^+exchange(NHE3)活性を測定したところ、CFマウスの膵導管管腔膜のNHE3活性は、ワイルドタイプに比べて有意に高く、ワイルドタイプとは逆にcAMP刺激により増加した。この活性化されている膵導管細胞の管腔膜のNHE活性を雌雄で検討したところ、CFマウスの♀の管腔膜のNHE活性は、♂のNHE活性に比し、有意に高かった。estrogenが膵管の管腔膜側のNHE3の発現を調節することによって、管腔膜のNHE活性を活性化し、膵液を酸性化しているということを明らかにした。estrogn antagonist治療後の♀および治療のない♂♀について比較検討することによって、estrogen antagonistが治療薬として使える可能性があり、今後検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
△Fマウスの作成、飼育に予想以上の時間がかかったため、また、△Fマウスが長期生存できないため、供給量が少ないため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、飼育スペースの十分な確保が困難ではあるが、マウスのペア数を増やして、△Fマウスの数を増やす努力をしている。
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