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2010 年度 実績報告書

インターロイキン10による膵線維化抑制に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 22590758
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

大原 弘隆  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80285212)

研究分担者 中沢 貴宏  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教媛 (70305522)
安藤 朝章  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (40423850)
キーワードIL-10 / MAdCAM-1 / 慢性膵炎 / 遺伝子治療 / 膵血管内皮細胞
研究概要

【目的】急性膵炎の初期には臨床的には膵浮腫が生じることが明白であるが、その発症機序は不明である。申請者らは膵臓由来血管内皮細胞株を樹立しており、in vitroで膵浮腫発生機序を解明する。また抗炎症性サイトカインであるIL-10による膵炎抑制効果を検討する。
【方法】(1) 申請者らは、膵臓血管内皮細胞株(PMEC)を24ウエル4CバイオコートインサートコラーゲンIに撒き、TNF-α、IL-1β、IFN-γを各濃度で投与、3時間後の細胞間電気抵抗値(TER)を測定した。次に、TNF-α、IL-1β、IFN-γ投与時にIL-10(20ng/ml)を同時に投与し、3時間後のTERを測定した。
(2) 次に、PMECを使用し、TNF-α、IL-1β、IFN-γ刺激後、24時間、48時間、72時間でのTERを測定した。
【結果】TNF-αIL-1β刺激後、TERの低下は3時間後では有意差は認めなかったが、TER低下の傾向を認めた。TERの変化に濃度依存性は認めなかった。一方、IFN-γ刺激ではTER低下は認めなかった。次にIL-10同時投与ではTNF-αによるTER低下には影響を与えなかった。IL-1βおよびIFN-γとIL-10の同時投与でも同様であった。またTNF-α、IFN-γ刺激後、24時間後では有意なTERの低下を認めたが、48時間、72時間後では、逆に回復傾向にあった。一方、IL-1β刺激では、72時間までTER低下が持続した。
【考察】本研究では、各種炎症性サイトカインにより、膵血管内皮細胞の透過性亢進生じることが証明され、作用発現時間が異なることが示された。また本研究においてのIL-10の血管透過性抑制効果に関する検討を行ったが、投与3時間後では予想に反して血管透過性抑制効果は認められなかった。治療的意義の点から今後はさらにIL-10投与後のTERの経時的検討が必要であると考えている。

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公開日: 2012-07-19  

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