研究概要 |
1.AZ2抗体の作製について 現在販売されている3種のAZ2抗体を全て購入し数種の培養細胞の細胞抽出液に対しウエスタンブロッティング法を行ったが、どの抗体も内在性のAZ2を検出することはできなかった。今後ポリクローナル抗体を作製するか検討中である。 2.膵がん細胞におけるAZ2、CDR2、PHD1の相互作用と機能の関連。 ヒト膵臓腺癌細胞Panc-1などを用いて、細胞内でのAZ2,CDR2,c-Myc,PHD1/2などの相互作用を、HAやFLAGのタグ抗体を用いたプルダウンアッッセイにより解析している中で、新たにAZ2がc-Mycと相互作用することを発見した。ポリアミンの律速酵素であるODCはc-Mycはのターゲットであり、またAZ2はODCに結合しプロテアソームによるユビキチン非依存的分解を促進する。AZ2とc-Mycが相互作用することはポリアミン代謝や細胞増殖および癌において非常に興味深いと考えられたため、これらの相互作用についてc-Mycの分解に焦点を絞り解析した。その結果AZ2は細胞内においてc-Mycの分解を促進することが明らかとなった。この分解はc-Mycのユビキチン依存的分解に重要なc-Myc上の2つのリン酸化部位(T58およびS62)をアラニンに置換したc-Mycも分解促進したことから、ユビキチン非依存的であることが明らかとなった。加えて、この分解は内在性のc-Mycについても起こること、ポリアミンにより促進されることが明らかとなった。ポリアミンによるc-Mycの分解促進は、siRNAによりAZ2をノックダウンした細胞では明らかに抑制された。現在Panc-1細胞などを用いて低酸素条件におけるc-Mycの分解にAZ2が関与しているか解析している。
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