研究概要 |
潰瘍性大腸炎のリアルタイム病理診断の確立をめざし、潰瘍性大腸炎 (UC)大腸粘膜観察ではこれまでMatts’病理分類が広く臨床に用いられてきたが、UC患者の内視鏡スコアとしてECSスコアを設定し、Matts’病理スコアと極めて強い相関を認めることを明らかとした。これは画期的なアドバンテージであり、リアルタイムに病理診断の可能性を秘めた追求と言える。本成果は国際医学雑誌(Bessho R, Ogata H, et al. Correlation between endocytoscopy and conventional histopathology in microstructural features of ulcerative colitis. J Gastroenterol. 2011; 46: 1197-202.)に報告した。次に、急性消化管感染症の病原体観察と診断の確立をめざし、ECS内視鏡診断の応用として、アメーバ性大腸炎におけるアメーバ虫体のECS検出に成功した。アメーバ性大腸炎をほぼ100%、通常観察とECS観察を組み合わせることにより病理フリーで診断することが可能であった(Hosoe N, Ogata H, et al. Gastrointest Endosc. 72: 643-646, 2010.)。最後の課題として、 生体腸管微細構造の運動生理学の確立をめざし、ECSにより腸粘膜の血管flowについて検討した。血管内の赤血球が確認でき、虚血性腸炎の再生血管についての検討を行った。本結果は、現在解析中であり、後日報告予定である。
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