研究課題/領域番号 |
22590764
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
北野 雅之 近畿大学, 医学部, 准教授 (50314571)
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研究分担者 |
工藤 正俊 近畿大学, 医学部, 教授 (10298953)
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
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キーワード | 内視鏡 / 造影ハーモニック法 / 超音波内視鏡 / 超音波内視鏡下穿刺術 |
研究概要 |
本研究は、超音波内視鏡を応用した消化器疾患の診断・治療法を研究開発することを目的としている。平成23年度は平成22年度に引き続き、新規治療法の開発として超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術の犬を用いた前臨床研究を行った。本研究では胃と胆嚢の間で細径(4Fr.)のプラスチックステントの挿入可能であり、24時間以上の観察でもステントが逸脱せずに残存していることが、平成23年度の研究により証明され、臨床応用向けての安全性が確認された。また、臨床研究では、造影ハーモニック超音波内視鏡検査により膵腫瘍の質的診断が行えることを報告した(Am JGastroenterol 2012; 107:303-310)。本研究では、造影ハーモニック超音波内視鏡にて膵癌を乏血性腫瘤と定義した場合、高感度(95.1%)および高特異度(89.0%)で膵癌を診断することが可能であることが判明した。特に2cm以下の小病変の診断においてはMDCTよりも有意に優れていた。また、超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNA)と組み合わせることにより、EUS-FNAの膵癌診断感度を改善(92%→100%)させることが証明された。超音波内視鏡下治療の臨床研究として、通常のERCPによる治療が不能である閉塞性黄疸患者に対して超音波内視鏡ガイド下胆管十二指腸吻合術を行い、その有効性および安全性を評価した(Pancreatlogy 2011;11 suppl. 2:47-51)。本治療法は、超音波内視鏡下で十二指腸球部より肝外胆管を穿刺し、穿刺部にステントを留置する治療法であるが、手技成功率が93%であり、重篤な偶発症は発生せず、開存期間中央値99日と良好な成績が得られ、経皮的ドレナージ治療に変わり得る治療として期待されることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、前臨床研究と臨床研究を並行して実施している。平成23年度は、両研究ともに成果が得られ、逐次、学会および論文にて発表を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度も前年度と同様、前臨床研究と臨床研究を並行して行っていく。前臨床研究では新規治療法をさらに開発することを目的とする。また、前臨床研究で確立された検査および治療法を臨床応用し、その成績を評価していく。
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