研究課題
3年間の検討の中で人工基材表面上へアディポネクチン(Adpn)の高密度化学固定は安定して行えるようになった。またAdpn固定表面でのVEGFと同程度の内皮細胞接着促進および分化促進効果は確認されていた。しかしながら当初より基剤表面へのAdpn固定が強固でおそらく基剤からの脱落が少ない材料を繰り返し用いられるようになるにつれて、計画提出前に行われていたPilot studyの段階では再現性を持ってpositiveであったeNOSの発現亢進および細胞老化抑制が再現性が乏しくなってゆくことが明らかとなってきた。当初は手技的な問題および化学固定用試薬調整の問題化と思われたが、これは検討を繰り返すうちに、当初細胞表面へのAdpn固定が不十分な材料ではこれまでに多数報告のある液相下のAdpnと同様に細胞内に取り込まれた結果ではないかと推測されるようになってきた。これは当初期待されたAdpn化学固定により細胞内へのAktをはじめとするシグナル促進作用が、細胞内にAdpnが取り込まれず接触に留まる固定表面では行われないことを意味する。繰り返しの検討の結果としてAdpnの基剤表面への固定の効果はフィブロネクチン(Fbn)等と同様の細胞の接着固定作用、細胞の足場形成作用のみと考えられた。その状況下ではFbnより高価なAdpnを用いる接着固定作用がFbnに勝る点を有するのかとの議論になる。こちらも複数の検討で優位性は示されないものと判断された。さりながら応用的検討としてVEGF固定表面にAdpnを同時に固定する事でのVEGFコーティングステントでのEPC捕捉作用の増強も期待されると考えて検討を追加したが、同検討においても十分な優位性を示すことはできなかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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