研究課題
十分な薬物療法、あるいは心室再同期療法にも関わらず治療抵抗性拡張型心筋症を呈する患者(NYHA 3-4度、左室駆出率 35%未満)計6名が十分なインフォームドコンセントを受けた後に免疫吸着療法を受けた。心機能の評価は心エコーを用いて、治療前、治療後1週間、1、3、6、12ヶ月で評価を行った。通常のエコー検査、ドプラ血流記録に加えて、円周方向、壁厚方向、長軸方向の左室ストレインと左室のねじれ(torsion)を測定した。1ヶ月の時点で1名が突然死を来した。前例が経過観察できた最初の1ヶ月の経過中、左室駆出率は治療前30.7% ± 8.1%から1ヶ月後29.2 ± 7.0% (P=NS)、左室収縮期容積は治療前116 ± 73 mlから1ヶ月後90.8 ± 56.4 ml (P=NS)、拡張期容積は治療前 164 ± 90ml から1ヶ月後139 ± 58ml (P=NS)、左室長軸方向globalストレイン値は治療前-9.6 ± 4.1%から1ヶ月後-8.5 ± 2.9% (P=NS)、左室円周方向ストレイン値は治療前-5.6 ± 2.3%から1ヶ月後-6.6 ± 1.1 % (P=NS)、左室平均壁厚方向ストレイン値は治療前13.4 ± 8.8%から1ヶ月後17.1 ± 14% (P=NS)、左室ねじれ(LV torsion)は治療前-0.71 ± 5.2 度から1ヶ月後-0.62 ± 2.7度(P=NS)と有意な変化は認められなかった。また、その後3、6、12ヶ月まで経過観察可能であった患者に関しても,諸指標に有意な改善はみられなかった。また、バイオマーカーである血漿BNP値も経過中有意な変化を示さなかった。以上の結果から、本研究における左室機能の客観的定量的測定では、免疫吸着療法による左室心機能の改善を客観的に示すことはできなかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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