研究概要 |
日本白色種ウサギを用いて、30分虚血・48時間再灌流モデルを用いて、vogliboseが、梗塞サイズを縮小することを確認し、その分子メカニズムを解明した。Voglibose 3.5mg/kg/dayを7日間内服投与した結果、梗塞サイズは有意に縮小した。この梗塞サイズ縮小効果は、exendin(9-39)(GLP-1 blocker,1mg/kg), wortmannin(PI3-kinase blocker,0.6mg/kg),L-NAME(NOS inhibitor,10mg/kg),5HD(mitochondrial KATP channel blocker,5mg/kg)の前投与で、それぞれ完全に消失した。すなわち、vogliboseの梗塞サイズ縮小効果は、GLP-1産生、PI3-kinase活性化、NO産生増大、mitochondrial KATP channel開口が関与することを明らかにした。さらに、voglibose投与により、血中GLP-1濃度が上昇することを明らかにした。また、western blottingにより、心筋組織にGLP-1受容体が存在し、vogliboseがAkt,eNOSを活性化することを明らかにした。これらのことは、vogliboseが血中GLP-1濃度を上昇し、心筋組織におけるGLP-1受容体を刺激し、PI3 kinase-Akt-eNOS pathwayを活性化し、KATP channelを開口することにより、梗塞サイズ縮小効果という心保護作用を発揮することを明らかにした。
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