研究課題/領域番号 |
22590780
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
土肥 薫 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50422837)
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研究分担者 |
伊藤 正明 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00223181)
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キーワード | 心筋梗塞 / 右室 / 心エコー / ストレイン / 圧容積関係 / コンダクタンスカテーテル / リモデリング / 心筋ミオシンRLCリン酸化 |
研究概要 |
1.全身麻酔および人工呼吸管理下のビーグル犬(成犬8-10kg)に、右大腿動脈よりセルジンガー法にて冠動脈カテーテルを挿入し、カテーテルを用いた左冠動脈閉塞による右室虚血を伴わないイヌ広範心筋梗塞モデルを作成中である。肉眼的に左室前壁に梗塞が認められ、組織学的にも明らかな梗塞所見が認められた。また、仮説通り、心筋梗塞部位から離れた右室自由壁にも明らかな線維化が見られ、リモートリモデリングの存在を示唆する所見であった。 2.コンダクタンスカテーテルによる圧容積関係の評価、および心エコー2Dストレイン法による右室機能評価を、正常犬および心筋梗塞モデルにおいて行っており、手技の安定化が実現できている。 3.心筋梗塞モデルにおいて、検査終了後、心重量測定後、および右室自由壁、心室中隔右室側および左室側、左室自由壁の心筋標本を採取し、ホルマリン固定および-80℃での凍結保存をしており、検体を集積中である。心筋でのミオシンRLCリン酸化レベル(ウレア電気泳動-ウエスタンブロット法で解析)、ミオシンRLCをリン酸化する心筋特異的ミオシン軽鎖キナーゼの遺伝子発現(RT-PCRによる測定)、心筋でのトロポニン複合体、特にトロポニンIのアイソフォーム並びにリン酸化レベル(ウエスタンブロット法で解析)などを行っている。 4.心エコー2Dストレイン法による陳旧性心筋梗塞患者の右室リモデリングを臨床的に検討している。陳旧性心筋梗塞患者では、右室リモデリングが認められ、その程度は左室機能とBNP濃度に依存することを見出した(欧州心臓病学会に演題応募)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
(1)適切な度合いの心筋梗塞の作成に試行錯誤が必要であったこと、(2)、動物実験施設の移転に際し、平成23年9月から24年3月まで実験を中断せざるを得なかったことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年4月から実験再開を予定している。適切な度合いの心筋梗塞の作成が可能となった現在、実験が円滑に進むと考える。
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