研究課題
日本では大規模臨床試験に裏付けされた事実に基づき循環器領域でもガイドラインが作成されているが、参考とされた論文はほとんどが海外のものであった。本研究の目的は、冠動脈インターベンション時代である現代において、全国規模で急性心筋梗塞の症例登録を前向きに行い、急性心筋梗塞の病態や治療に関するエビデンスを蓄積し、最終的には我が国独自のガイドライン作成に役立てることである。平成26年3月31日現在、本研究は全国16施設で構成されている前向き観察研究で、対象は発症24時間以内に来院した急性心筋梗塞患者である。平成26年3月までに、約2,500例が登録されている。データのクリーニングも現在行っているが、薬剤溶出性ステントや糖尿病、尿酸などと院内予後について解析が始まっている。特に熊本県内の心筋梗塞発症状況について、2010年頃より全体の発症数は減少し始めているが、発症のピークがこれまで70歳台であったものが80歳台と高齢化しており、院内予後も増悪していることが判明したため、国内外の学会で発表するとともに論文としてまとめることができた。熊本県内の心筋梗塞の発症数は減少しているものの、心停止数は増加しており、この点についても詳細な検討を加えていく。このように解析ならびに学会発表や論文化を進めるとともに、平成26年9月の実務担当者会議で解析結果を含めた現況を報告し、本研究のまとめを開始する。
2: おおむね順調に進展している
データ集積も終盤となり、クリーニング後に解析に取りかかり始めることができており、学会発表や論文発表までこぎつけているため、順調に進展していると考えている。
研究班で解析を進めていくとともに、国内外の学会での発表や論文化に取り組んでいく。また今回の研究を契機に、本研究の目的である急性心筋梗塞の病態や治療に関するエビデンスを蓄積していくために、全国規模で急性心筋梗塞の登録を今後も進めることができるよう、グループの構築を行う予定である。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
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