研究課題/領域番号 |
22590789
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
高野 真澄 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60398344)
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研究分担者 |
中里 和彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90363762)
小林 淳 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20448640)
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キーワード | 三次元心エコー図法 / 虚血性心疾患 / 薬物負荷心エコー / フローワイヤー |
研究概要 |
本研究では、三次元負荷心エコー検査により局所左室拡張能の変化を評価する一方で、冠動脈狭窄度と冠微小循環能の定量評価を行う。これらを比較検討することによって、三次元負荷心エコー法による局所拡張能の変化が虚血性心疾患の診断に有用であるか否か、またリスクエリアの三次元表示が可能であるか否かを検討することを目的とした。 本年度は、9例の虚血性心疾患を疑った患者においてアデノシン負荷三次元心エコー検査による心筋動態評価を行った。負荷前とアデノシン持続静注下に三次元心エコーの画像収集を行う。心エコー機材は東芝社製ARTIDAを用い、収集した画像は専用ソフトウエアで心筋ストレインおよびストレインレートについてオフライン解析を行い、負荷前と負荷後でのそれらの値の変化から心筋動態(心筋収縮能と心筋拡張能)を評価した。 1)これまでの検討により、虚血性心疾患患者におけるストレイン、ストレインレートの様々な指標のうち、4種類の拡張早期最大ストレインレートを検討し、その中で最もarea strain rateが高い診断能を有していうること、さらに、area strain rateを用いた場合、虚血性心疾患の診断に際し、収縮期最大ストレインレーよりも拡張早期最大ストレインレートを用いた場合に診断能が高いことが明らかとなった。 2)拡張早期最大ストレインレートによる評価方法を、臨床診断にさらに有用な指標に発展させるため、負荷前後における拡張早期最大ストレインレートの変化をBull's eyemapとして表示する方法を考案し、試作ソフトを用いて視覚的に評価可能か否か検討し、冠動脈狭窄病変と一致してリスクエリアの広がりを示すことが可能であることが明らかとなった。 冠動脈狭窄病変と一致したリスクエリアの広がりを三次元表示可能であることは、虚血性心疾患の診断・治療効果判定など、臨床応用への大きな意義があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
東日本大震災による影響、また研究代表者の学内異動などによりデータ収集が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
学外における研究協力者も確保し、迅速なデータ収集に努める。
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