研究課題/領域番号 |
22590791
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
赤阪 隆史 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70322584)
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研究分担者 |
谷本 貴志 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90438284)
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40190904)
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キーワード | optical coherence tomography / スペクトロスコピー / thin-cap fibroatheroma (TCFA) / 急性冠症候群 / 不安定プラーク / 脂質低下療法 |
研究概要 |
次世代光干渉断層法(frequency-domain optical coherence tomography:FD-OCT)によるスペクトロスコピーの開発に関しては、昨年までと同様に、協力者であるLightlab社に動物実験データを提供し、OCTデータのスペクトル解析とそのカラー表示化を改良・開発中で、頻回に情報交換会を開催している。ステントストラッドの自動認識に関しては既に論文報告した(Xu C et al. Phys Med Bio 2011;56(20):6665-6675)。 グレースケールでFD-OCTを用いて画像収集した臨床例における不安定プラークの検討については、不安定狭心症に注目して既報の急性心筋梗塞との比較を中心に行い、両者の類似点.相違点に関して詳細に解析し、国内外の学会に報告するとともに既に論文報告した。スペクトロスコピーの完成後に同部位の再解析を行い、カラー表示による再検討を行う予定である。 不安定プラーク(線維皮膜の薄い脂質性プラーク:thin-cap firoatheroma:TCFA)に関しては、急性冠症候群例の責任病変部以外において検出し、脂質低下療法の効果に関して観察研究を行い国内外の学会で報告し、現在投稿中である。 また、脂質低下療法によるTCFA安定化効果に関しては、プラーク安定化の確認ともに薬剤至適投与量を決定するために現在2つのランダム化前向き研究を行っており、昨年度中に登録が完了し、一部は既に、学会発表し、現在論文投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
OCTを用いた基礎データや臨床データに関しては進展し、多くの学会報告や論文投稿をしているが、スペクトロスコピーの開発は協力者であるLightLab社がSt,Jude社に買収されるなどの経緯があり、時間を要している。新たなSt.Jude社と我々との研究協力体制は、依然と同様に継続されることになっており、遅れを取り戻すように昨年以上に努力する。
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今後の研究の推進方策 |
まず、(1)現在までの実験データ・臨床データの論文化をさらに推奨し、(2)基礎データによるスペクトロスコピー開発を継続する。また、(3)本邦の工学・理学系の研究者とも協力して、別の角度から本来の目的であるOCTスペクトロスコピーの開発を即する予定である。既に、近隣の工学系の研究者との協力関係はできており、新たな体制作りも同時並行で行っている。場合によっては、(4)国内の企業との共同研究も視野に入れて研究体制の充実を計る。
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